私の父が生前、何年間にわたり、ある新聞社などに連載してきた随筆集を1989年に製本、自費出版しました。その内容をアップします。
「燃ゆる満州」は第2次大戦中に関東軍、軍属の軍医部所属として中国、虎林に進駐していた時の悲惨な戦争の話題です。
その他のエッセイはサラリーマン時代の身近な話題を書き留めた物です。
だれでも健康で幸福であることを願っています。
かりに、現在何かの病気にかかっている人は、その苦しみに耐えかねて「健康こそは人生最大の喜びである」 と考えるでしょう。
巷間よく「病気をしてはじめて健康のありがたさを知る」という言葉を聞きますが、日ごろ病気がちな人ほど、健康の真の意義を痛切にお感じになっているのでないかと思います。
生きる苦しみ、つらさ、痛みがなかったら、だれだってノイローゼやストレスに悩むことはないでしょう。
といって今すぐ、健康とか幸福を求めようとしても、一朝一夕にかちとることはできません。
それでは、せめて、ひとにぎりの幸福でもと思うのが人情でないでしょうか。
ところで、私は生涯サラリーマンで過ごしました。大方のサラリーマンの退職の弁に「大過なく…」という言葉を使いますが、私もおかげで、大過なく五十年余勤めることができました。
その余慶というわけではありませんが、健康のおかげでエッセイに手を染めることができました。
だからといってはおおげさですが、私はお酒はあまり強くないのに、いつも同じレベルの酒友とは興のおもむくままに、ちょっぴりほろ酔い気分を味わい充電しています。
ところで、人生はクヨクヨせず、おおらかに暮らすのが長寿の秘訣といわれます。
こんな考えも健康のご利益かと思っていますが、といって「酒なくて何のおのれが…・」というようなオーバーなことは申しません。
本書の各エッセイには「ほろ酔い人生」的な笑いとユーモアがちょっぴり味つけされているつもりですが、クスッと笑っていただければ、書いた者にとっては、これほどうれしいことはありません。
なお、本書のエッセイは、かつて私が書いた次のものからそれぞれその一部を抜粋してまとめたものです。
第一章 サラリーマン人生雑話
某銀行行内誌
第二章 サラリーマン百態
某新聞夕刊「風車」
第三章 夫婦ぜんざい
某県国民健康保険団体連合会「某の国保」中「ユーモア人生雑話」
第四章 燃ゆる満州
手記