ホームエッセイほろ酔い人生

ほろ酔い人生

A Life like A happy Drink

●あとがき

 本書に収載されたエッセイは、過去、現在にわたり、その時代の流れに応じて書いたものです。
 私はかつて某県庁の社会保険関係に勤めていた関係で、職業がら健康をテーマにして書いたエッセイが多かったように思います。
 しかも、私は長らく、官庁という堅苦しい器の中にいたものですから、つとめて肩をほぐすようなユーモアをモチーフにしていろいろ書いて来ました。
 また、依頼される側もそのような趣旨のものが多かったようです。
 世の中がせちがらい当時に書いたものや最近の人生のうらおもてをあぶり出したものが多いので、あるいはセミの抜けがらみたいな空虚な感じのするものがありはしないか、そこらが心配でした。
 エッセイは、ご承知のとおり、短い文章であり、テーマによってはピリッときかさねばならないものや、全体的にスマートでなければおもしろ味がありません。
 そんな制約を自覚して書いたかつてのわが半生は、インフレの潮流にさいなまれ、有為転変の時代にあえぎながら、そこから一掬(いつきく)のユーモアとペーソスを求めようと精いっぱい努力したつもりです。
 ちなみに、昭和三十年ごろから三十有余年にわたり毎月書いた某県の健康保険および厚生年金保険の適用事業所向けの広報紙である、「社会保険とくしま」の「現代サラリーマン考」は、紙数の都合で本稿から割愛しました。ご了承ください。
 今後チャンスと経費が許すようでしたら、残余の原稿を上梓するのが私の生涯の願いです。
 つたない文章をお読みいただいてありがとうございました。

    1989年4月

ほろ酔い人生トップ 元に戻る ホームに戻る