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用土

園芸用土の種類]
 自然の下で生育する植物と違って、園芸植物はほとんどの場合、人間が手を加えた土で生長します。このような植物の生長のために用いる土のことを、一般に「用土」と呼んでいます。用土の中でも最も身近で、よく用いるものは、鉢やプランターで植物を育てるための土でしょう。これを鉢物用土とかコンテナ用土といいますが、1種類の土だけですますことはほとんどなく、いくつかの土をブレンドして使用します。このときのベースになる土のことを基本用土といい、これに混ぜ込んで土の性質をよくするための土を改良用土といいます。

[基本用土の種類] 
 鉢やプランターなどの土づくりのベースになる土には、主に以下のようなものがあります。

黒土
 黒色で有機質を多く含む、軽く軟らかい土。保水性、保肥性は優れていますが、通気性、排水性に難があるので腐葉土などを加えることで、とてもよい土になります。
赤土
 有機質をあまり含まない火山灰土。ほとんど栄養を含んでいませんが、堆肥、腐葉土などを混ぜ込むことで、とてもよい土に変わります。
田土
 水田の下層にあった堆積土。通気性に問題がありますが、保水性や保肥性が高く、上手にブレンドすれば、植物がよく育つ土になります。
赤玉土
 上記の「赤土」を乾燥させ、粒の大きさによって大粒・中粒・小粒の3タイプに分けた物。病原菌などをほとんど含まず、保水性、保肥性、通気性、排水性に富んでいるので、鉢やプランターの基本用土として、とても優れています。粒の小さいものは保水性が、大きいもの は通気性が優れているので、鉢の大きさなどに合わせて使い分けます。なお、硬質赤玉土と呼ばれる土は、別用途に用いる土で、一般の赤玉土とはまったく性質が異なるので、混同しないように注意が必要です。
鹿沼土
 栃木児鹿沼地方で産出される土。有機物をほとんど含みませんが、通気性、保水性が高く、特にサツキ栽培のための用土として有名。ほかの用土と混ぜて排水性、保水性、通気性を高めるなど改良用土的な使い方もします。
日向土
 宮崎県で産出される火山灰砂礫が風化されてできた多孔質の軽石。保水性と通気性がよい。

[改良用土の種類] 
 基本用土の物理的・化学的性質を改善することで、植物の育ちやすい土を作るための土。基本用土に混ぜて用います。

腐葉土
 広葉樹の落ち葉を腐熟させたもの。通気性、保水性、保肥性に優れ、植物 の生育に欠かせない栄養分をたっぷり含んでおり、さまざまな用土に混ぜて高い効果をあらわます。特に赤玉土と腐葉土の組み合わせは、鉢植え用の土と して最も基本になるものといってもよいでしょう。
 腐葉士は、クヌギや桜、モミジなどの落葉樹の葉が最良です。
 自宅で作るには、落ち葉、コンテナの古い土、野菜かすなどと、わら、刈り芝などの空気を含む物などを名10cm程の層に積み重ねます。容器は、側面にすき間の空いた木枠や金網を用います。早く熟成させるには、液肥や油かすを各層に均一に加えます。
 二か月くらいたってから、もう一度、場所をかえて積み直します。うまく発酵する部分としない部分ができてしまうので、水と空気を均一にすることが大切です。
 良い腐葉土は、落ち葉などの原形が残っておらず、ふかふかしていて独特の良いにおいがします。

ピートモス
 小ゴケ、シダ類などが湿地に堆積して泥炭化したもの。欧米では古くから使用されていました。腐葉土と何じように使えますが、保水性、排水性、通気性、保肥性に優れていますが強酸性で微量要素をほとんど含まないなど性質は異なります。
パーライト
 真珠岩を細かく砕いて高温高圧処理した人工の白色粒砂礫。通気性の悪い土の改善に効果を発揮します。大粒のものを鉢底土に利用。
バーミキュライト
 ヒル石を高温処理したもので、保水性、排水性、通気性、保温性、保肥性に優れています。とても軽いので、ハンギングバスケット用土として用いると重宝Lます。

[よい土の条件]
 良い土が元気な植物、美しい花を育てます。
 植物にとって良い土とは、根がしっかり張れて活発な活動ができ、水分や養分をたっぷり含み通気性と水はけも良い事が条件です。
 庭の土が通気性と水はけの悪い粘土質の場合は、砂やパーライトを20〜30%程度混ぜ、腐葉土や堆肥(たいひ)なども1平方mあたり10リットル混ぜます。さらに、苦土石灰を1平方mあたり200g程度入れますと土質の改善がはかれます。
 砂利、砂質の土は、保水性がないため、黒土を20〜30%程度と腐葉土や堆肥などを1平方mあたり10リットルを混ぜ合わせ、苦土石灰も1平方mあたり150gの目安で施します。
 水はけの悪い湿地の場合は、排水用のプラスチック管を埋設して水はけを良くし、庭全体や花壇の部分だけ盛り土し、黒土などの基本用土に腐葉土や堆肥などの改良材を加えます。
 多くの植物にとって弱酸性の土が最適と言われ、市販の酸度測定液などで土の酸性度を調べることもできます。
通気性
 最も大切なのが、この通気性。植物の根も呼吸をしています。通気性がよくないと、根が窒息して、根腐れを起こしてしまいます。
排水性
 酸素をたっぶり含んだ新鮮な空気を与えることで、植物の根に新しい空気を届けるのが、水やりの最大の目的。ところが、水はけが悪いと空気の交換ができず、根腐れの原因になります。
保水性
 排水性が大切とはいえ、そのまま水が流れ出てしまったのでは、根が乾燥して植物が弱ってしまいます。要は排水性と保水性のバランスのよい土が、園芸用土として優れているといえます。
保肥性
 土が肥料を長く保持する働きのこと。少々の水やりや雨でも肥料が流れない性質のことを言います。
[土づくり]
 配合はビートモスをベースにすれば、たいていの草花を無難に栽倍することができます。ビートモスが容積比で用土全体の4割、パーライト3割、赤玉土2割、これにパーク堆肥一割になるようにします。
 個々の植物に合わせる場合は、ピートモスの一部をほかの用土に置き換えると考えます。やや重めの士にすると姿が引き締まるナデシコやヒャクニチソウでは赤玉土の割合を増やしたり、真砂土を一割程度混ぜたりします。
 土は使ううちに排水性が悪くなるので、再生します。主な作業は古い根を取り除くことですが、ふるいを使って徹底的に取り除く必要はありません。かえってピートモスなどがつぶれて細かい粉状になり、目詰まりを起こします。くま手などで粗く土を耕し、引っかかった残根を取り除く程度にしておきましょう。
 古い根に絡まってピートモスが持ち出されやすいので補充します。ただ、不幸にも目詰まりで排水不良となった場合、パーライトだけで補充してみましょう。保水性は落ちるものの、根の張りは格段に長くなるはずです。
[冬場の土のリフレッシュ]
 冬のガーデニングで忘れてならないのが土のリフレッシュ。何も植えていない庭の花壇の場合は「天地返し」といって、表上と、その下の部分の土を入れ替えます。
 まず雑草やゴミを取り除き、スコップで50cmの深さまで掘り返し、上下を逆にして同じ場所に戻します。これを繰り返して全体を掘り起こして寒さにさらすことで、かたまりが風化されて土質がよくなり、害虫や卵なども寒さで死んでしまいます。
 マンションのベランダなどのプランターやハンギングバスケットなどの場合は、思い切って新しい土と入れ替えます。土の人れ替え時期は、花の寿命に合わせるのが目安。これから冬の花を植えるのだから、11月時期がちょうど入れ替えのチャンスといえます。
[花壇、菜園の土つくりのコツは?]

 まず草花、球根、野菜などを植えつける約1カ月ほど前にできるだけ深く(30〜40cm)掘り起こし、腐葉土あるいは堆肥などの有機物を1m2当たりバケツ1/2〜1杯、苦土石灰を100g混ぜ込みます。
 その後、植えつけまでに2〜3回よく混ぜて、十分に日光に当てるようにします。植えつけのときに、元肥を混ぜてください。ミニ菜園やプランターなどで、もっと手軽に土を準備したい方には園芸用土や培養土を利用するのが便利です。
(注意点)
 花壇・菜薗で特に注意したいのは前年と同じ植物を植えつけると著しく生育が悪くなる忌地(いやち)現象です。できるだけ種類のちがう植物(特に野菜類の場合)を植えつけるようにしましょう。

[庭土を鉢やプランターに利用するときの注意は?]

 表面から3cm程の層は使わず、その下の土を利用します。雑草、枯れ葉、枯れた根は取り除いてください。そのうえで、ふるい(ますめ2mm程度)にかけて細かい土(単粒構造の土)を捨て、粗い土(団粒構造の土)だけを使用しましょう。この上に、腐葉土と苦土石灰を混ぜ、次のような配合で使用してください。
例1 産土(5)−腐葉土(3)−赤玉土(2)
例2 庭土(6)−腐葉土(4)
病虫害の発生した庭土は使わないでください。

[良い土をつくるポイント。(pH(酸度)の調整)]

 土の酸性化(pHの低下)は水やりや雨で石灰質などが流れ出して起こったり、窒素分の多い肥料をたくさん与えることから起こったりします。pHが低くなった酸性の土は、石灰類を上に混ぜて調整しなければなりません。(酸性潅漑む植物には、石灰類は不要です。)苦土石灰と消石灰が市販されていますが、使いやすく安全な苔土石灰をおすすめします。また上がアルカリ性のときはpHを低くしなければなりません。そのどきはピートモスを土に混ぜてください。

[土の性質を良くする有機物(腐葉土、堆肥、etc.)]

 土の性質を改良したいときには、腐葉土や堆肥物などの有機物を土に混ぜます。その効果としては、
@排水・保水・通気・保肥性を良くする。
A土の中の植物に有効な微生物の働きを活発にする。
B植物に欠かせない微生要素(マグネシウム・鉄など)を豊富に含み、正常な生育を助ける。
があげられます。混ぜる量は、鉢・プランターなら3割程度、花壇・菜園なら1平方m当たりバケツ1/2〜1杯が目安です。ただし腐葉土や堆肥などは栄養分をわずかに含んでいますが、肥料ではありませんから、必ず肥料は別に与えてください。元気に育てるために、快適な“住まい”をつくってあげましょう。

[鉢にはどれくらいの土を入れたらいいの?]

 鉢・プランターに入れる鉢土の量の目安を一覧表にしました。3号鉢、4号鉢という表示は鉢の直径を示すもので、1号=3cmが基準になっていますから、各号数に3cmをかけた数字(例‥5号鉢=5(号)×3cm=直径15cm)がそれぞれの鉢の直径です。

[鉢土って何度も使えるの?]

 一度利用した鉢・プランター用土は、養分が欠乏していたり、性質が悪化していますから、基本的に再利用はおすすめできません。もし再利用する場合は、必ず表面から3cmまでの土は捨て、その下の土を使ってください。もちろん病虫害の発生した土の使用は禁止です。使用する土の消毒は、ビニール袋に土を入れて少し湿らせてから密封し、屋外のコンクリートの上に1ヵ月間ほど置いて十分に日光消毒してください。その後の手順は庭土の利用と同じです。新しく植える植物は、前と同じ種類のものは避け、種類のちがう植物を植えましょう。

[土の配合?植物に合った用土って?]

 植物によってそれぞれが好む土がちがいます。家庭で用土をつくるときは、赤玉土などの基本用土に、腐葉土やピートモスなどの有機物を3〜4割程度混合するのが基本です。赤玉土と腐葉土の配合は、ラン類を除く多くの植物に適する基本的な配合土です。これを基本に、植物の種類に応じてパーライトやバーミキュライトなどの調整用土を混ぜます。
(配合時の注意点)
@花着きの悪い草花類
  パーライトなどを入れて乾きやすい土にしましょう。
A根腐れを起こしやすい植物
  配合用土にパーライトを10〜20%配合し通気性を良くしましょう。
Bベランダなど乾燥しやすい場所
  配合用土にバーミキュライトなどを10〜20%配合し、保水性を高めましょう。
C酸性用土を好む植物
  アジサイ(青色)、サツキ、シャクナゲなどには、鹿招土にビートモスを混ぜましょう。

肥料

無機肥料と有機肥料
●無機肥料
 化学的に作られた肥料で効き方をコントロールしやすく効き目を長時間持続させることができ、においが少なく清潔です。
●有機肥料
 骨粉や油粕など動物質、植物質(自然もの)を原料とした肥料です。自然に優しく土の中で分解された後、ゆっくりとじわじわと効果が現れ、土質も良くなります。
肥料3つのタイプ
●緩効性
 一度与えると長時間穏やかに効き続けるタイプ。元肥や置肥(錠剤やスティックなど鉢の上に置いたり差し込むタイプの肥料)などがあります。
●遅効性
 与えてから植物に吸収されるまでに時間がかかり、その後ゆっくりと効果が持続します。有機質肥料がこのタイプ
●速効性
 与えると直ぐに効果が現れます。液肥(水に溶かして与える肥料)が普通このタイプ。
肥料の3要素
●葉肥/N(チッソ)
葉緑素を作る上で大切。生育初期の生育期に必要な成分
不足した場合
 1.葉色が悪く、黄変して古い物は落ちる。
 2.茎の伸びが悪い。
 3.花数が少なく、形が小さく、色が悪い。
過剰になったとき
 1.葉が大きくなりすぎ、色が濃い。
 2.茎が伸びすぎて倒れたり、病気や害虫に犯されやすい。
 3.花芽が形成される時期に多すぎると花芽ができにくい。
●花肥、実肥/P(リンサン)
細胞のタンパク質や貯蔵養分を作る。根の伸長促進と花、実の充実に不可欠
不足した場合
 1.根の伸長が悪くなる。葉肉が薄くなる。
 2.着花、結実が悪くなる。
過剰になったとき
 1.障害はほとんどなし。
●根肥/K(カリ)
炭酸同化作用を盛んにし、でんぷんを作り繊維を丈夫にし、花、果実、球根を太らせる。寒さ、あつさに対する抵抗力を付ける。
不足した場合
 1.茎や葉が柔らかくなり、弱くなって、病虫害にかかりやすくなる。
過剰になったとき
 1.茎や葉が堅くなり、もろくなる。
 2.カルシウムやマグネシウムの吸収を悪くする。
元肥と追肥
●元肥
 植物の植え付け、植えかえるときに必要な肥料。植物が成長する上で、肥料切れを防ぎ、生育をとぎれさせないために大切な働きをする。
●追肥
 植物を育てていく途中で不足した栄養を補給する肥料。成長の旺盛な植物や次々と花を咲かせる植物に欠かせません。

旅行中の水やり

鉢物は水を張った浴槽ヘペットボトルも活用して
 まず、鉢物は、水を探さ2cmに張った浴槽に並べます。毛細管現象で水が鉢の土にしみ込みます。換気のため、窓を開けておいて下さい。
 次はペットボトルを利用した方法。水を入れたペットボトル(350∝)を用意し、長さ25cmに切った手芸用の木綿ひもの片方をボトルの底まで入れ、もう片方を鉢に5cm差し込みます。ひもを通じて水が鉢に流れます。
 また、プランターなどの場合は、大きいペットボトルのふたに千枚通しで穴を一つあけ、水を入れて逆さにします。土が乾燥すると、自然に水が流れ出ていきます。ただし、いずれの場合も、事前に鉢やプランターにたっぷり水をやらないと、このような現象は起きないので注意。
 この方法は二、三日の旅行については、なんとか持ちますが、一週問以上になると、根腐れなど、障害がでるおそれがあります。最後に、失敗のないよう旅行前に、試すことを忘れずに。


花の病気

ウドンコ病(5〜10月)
 ウドンコ病の原因となる菌は、カビの一種。やっかいなことにいつも、空気中にこの菌の胞子は大量に漂っています。そのため菌に対する抵抗力の弱い植物、例えばアオキ、バラ、ベゴニア、菊、宿根性のアスターそしてノコギリソウなどは、条件によっては、たちまち感染してしまうのです。梅雨時になると発病するのは、こうした理由によるもの。これに対処するには、発病したらなるべく早めに殺菌・消毒することが大切です。殺菌剤の「ミラネシン」「ペンレート」「トップジンM」を、使用説明にしたがって適度に薄めて、病気の発生した部分に散布してください。この10日後に、再度、殺菌を行うとさらに効果的です。また、発病の時期がわかっている場合は、その季節になったら、発病前に予防的に殺菌を行うといいでしょう。
黒星病
 日本では気侯や土壌のせいか、バラを育てるとほぼ1OO%の確率で黒星病が発生します。斑点が出来たり、葉の縁から変色する。感染しても、発症させないことが大切で、新芽が出始める4月から10月までの間、毎月2回ずつ殺菌消毒を行うのが有効です。予防措置なので「ペンレート」を散布するだけでいいでしよう。もし、病気が発生してしまった場合には、殺済剤を「サプロール」「マネージ」に替えてみてください。なお、落下した葉は病菌の巣窟なので、これは焼却すること。また、根元の土に病菌がたまりやすいので、この部分をワラやパークチップなどでマルチングしてやると、いいでしよう。春先に敷き、翌年2月の剪定の際に、このワラやパークは焼却すること。マルチングには、バラの根元の土の感想を防ぐ効果もあります。
灰色かび病(3〜12月)
 花(蕾や花弁)や葉が柔らかくなり灰色のかびが多量に発生して枯死。長雨に当てたり、頭から水を与えた場合、低温、多湿で発生しやすい。風通しを良くし、花の咲き殻や枯れ葉はまめに取り除く。「ペンレート」「トップジンM」「ダコニール」「ロブラール」など2〜3種類の薬剤を交互に散布して防ぐ。
すす病
 葉や果実の表面に黒いすす状のものが付着し、次第に広がり全体が黒くなる。美観が損なわれるうえ,葉の光合成が妨げられるために生育が悪くなる。 病原菌は植物から直接養分を吸収せず、カイガラムシ、コナジラミ、アブラムシなど吸汁性害虫の排泄物を養分にして繁殖する。葉の表面がテカテカ ベトべトしてきたら、排せつ物がついているので注意する。
 吸汁性嘗虫の寄生している植物や、寄生している庭木などの下に植えてある植物に発生する。ペンレート、トップジンMなどを散布すれば−時的にきれいになるが、すぐに黒くなってしまう。殺虫剤で原因害虫を退治して予防しよう。
さび病
 葉の表面が凹凸になり、かぴの色によって白さび病、赤さび病、黒さび病などと呼ばれています。美観が損なわれ、発病した芝生の場合、その上を歩くと、靴やズボンのすそが赤くなることもあります。リンゴ、ポケ、カイドウなどに発生する赤星病もさび病の仲間で、針の先ほどの黄色の小斑点が次第に拡大し、病斑の裏側に毛が生えたような胞子ができます。
ダイセン類、サプロール、マネージを散布します。
ハダニ(5〜10月)
 高温、乾燥で多発する。葉の裏につき、肉眼では分からないくらい小さな虫。赤く細かい点のようで被害が広がると葉が色あせる。葉の裏に強い水をかけたり、ケルセンなど殺ダニ剤を繰り返し散布する。
アブラムシ(通年)
 若い芽、つぼみ、葉の裏に群生し、汁液を吸う。高温、乾燥で多発する。集団で加害し、成長を阻害するとともにすす病などの病気の原因となる。オルトランなど浸透移行性殺虫剤をまいたり、「マラソン」「スミチオン」などを散布する。少量ならすりつぶす。テントウムシやカゲロウの幼虫がいればアブラムシの天敵であるから殺してはいけない。
カイガラムシ(3〜10月)
 葉の裏や枝幹に群生して汁液を吸って株を弱らせる。成長すると貝殻状の殻をかぶったり、ろう質で全体が覆われるようになり殺虫剤も効かなくなる。風通しを良くして幼虫には5〜7月に「スミチオン」や「オルトラン」を月2〜3回散布し、成虫は歯ブラシでこすり落とす。
コガネムシ(6〜10月)
 成虫は6〜8月頃飛来し、葉や花を食べる。土中に産卵された幼虫は根を食べ、株を倒す。成虫は捕殺。幼虫はスミチオン、カルホス乳剤などを土壌施用する。

病気の出やすい条件
1.雨が多く湿度が高い。蒸し蒸しする長雨天の日が続く。
2.風通しが悪く、日陰になりやすい場所にある。
3.種や苗の段階ですでに病気にかかっている。
4.近くに病気にかかっている植物がある。
5.窒素肥料が効きすぎて軟弱に育っている。
6.同じ種類の植物を同じ場所で毎年作っている。(家庭菜園など)

薬剤の有効な使い方
1.病気の出そうな条件・季節になったら定期的(7〜10日おき)に予防散布します。
 花、花木、野菜、果樹などの植物を日ごろよく観察し、害虫・病気の防除は、早め早めに行うのがこつです。
2.病気は雨によって拡がりやすいので、雨が降り続くときは、わずかな晴れ間でものがさず散布します。茎葉への薬剤散布後の雨は、効果を半減させます。しかし、散布後に液が乾いてからの雨は問題ありません。梅雨期には、雨の前の殺菌剤散布は効果的です。
3.褐色の斑点が目につくようになってはすでに手遅れです。予防のための散布を習慣づけましょう。殺虫剤は、虫の発生を見て散布しても遅くはありませんが、殺菌剤は予防散布が基本です。とくにバラなど病気にかかり易い植物は定期的な予防散布をお勧めします。
4.水和剤には展着剤を加用し、効力を高めて使用してください。
5.気温が高いときは薬害がでやすいから、朝夕の風のない、涼しいときの散布をお勧めします。風の強い時の散布は避けましょう。
6.土壌にまく粒剤タイブの薬剤は、虫の発生前に散布し、発生を予防します。虫が発生してからでは効かない場合が多いです。発生後はAL剤、エアゾール、乳液剤、水和剤などの使用をお勧めします。
7.除草剤は、使用目的にあった場所、時期、薬剤を選びましょう。
8.不快害虫剤は、屋内では使用できません。


寄せ植え

 まず、植える場所をどこにするかを決めます。眺める方向に合わせて色の調和を考えてデザインする。コツは立体感と色合わせ。色の強弱を考え、高低差のある花をうまく配置すると奥行きがでる。四方から眺める場合は、真ん中に背の高いものを持ってくるとバランスがよくなる。後は好きな植物を好きな容器に植えて、自分が楽しめればよい。
後は自分の植えたい花を選び、土は殺菌したものを使用する。
水は鉢の表面が乾いたら、天気が良い日の午前中に与えると良い。
 花を鉢から取り出すとき、茎を引っ張ると傷むので縁を軽くたたくと取りやすくなる。またk鉢の中で萎縮している花の根はほぐす必要はない。
 植えつけてすぐに楽しめるように、開花株を利用する場合は、詰めて植えてかまいません。鉢で育てられた花を利用する場合は、葉がふれ合う程度に植えます。 ポット苗から育てる場合は、植える植物や作りたい寄せ植えのイメージにもよりますが、15pほどの間隔があれば、初めは寂しく感じても、生長するとバランスがよくなります。秋植え球根の場合は密植するほど、咲いた時ににぎやかになります。
●同系色で花を集めると何を使ってもおしゃれにまとまるものです。お気に入りの花色をテーマカラーに選んでピンクやクリーム色、薄い紫を使うとシックで優しい感じ、赤や濃い紫ならシャープで都会的な印象になります。
●濃い赤や紫などの鮮やかな色は多色を取り合わせると花同士が喧嘩してしまいます。グリーンや白い色を間に入れるとインパクトの強い花もグンと印象が和らぎます。
●イギリスのハンギングバスケットのようにナチュラルな感じの寄せ植えを作るには垂れ下がる花や葉もの、暴れた感じに伸びる植物を使いこなすのがポイント。
●インテリアとしておなじみの観葉植物も夏の間なら屋外で育てても大丈夫。グリーンの濃淡やユニークなシルエットで演出を。
●香りの良いハーブやコンパクトな野菜もハンギングバスケットに取り入れ、空中に浮かぶハーブガーデンや野菜畑。

ハンギングバスケット

飾り揚所
 立体的な花飾りが楽しめて、狭いスペースも有効利用できるのが魅力のハンギングバスケット。花を考える前にまず、バスケットを吊す場所を決めましょう。ハンギングバスケットには、壁かけタイプと半球形の吊りタイプ、この二種類があります。壁かけタイプは、トレリスや門扉、鉄格子がはめ込まれた小窓などを利用すると手軽に飾れます。吊りタイプは、玄関ドア横の照明器具の下、小屋根の軒下部分などの玄関まわりを、華やかに演出するのにビッタリです。ただ、マンションなどのベランタでは、手すりに飾ると強風などで飛はされる危険性があるので要注意。安全性を第一に、人の動きの邪魔にならない場所を選んで飾ることが大事です。 次に、その場所に合った大きき、形、材質のバスケット選び。最近はワイヤ製やプラスチック製など、実に様々な種類のハンギングバスケットが売られていますが、使わなくなった台所用のザルやカゴなどを利用してもいいのです。リサイクルというだけでなく、新品にはない趣と遊び心が感じられて楽しいものです。目の大きな容器を使う場合は周りに水苔を張ってから土をいれましょう。
ポリューム感
 さて、いよいよ花のコーディネート。苗の選び方や組み合わせに、センスや個性が発揮できるのが寄せ植えの魅力です。美しい寄せ植えを作る基本は、一種類の植物だけを使う場合は花の色をニ〜三色組み合わせる、二〜三種類の植物を使う場合は同系色でまとめること。さらにハンギングバスケットの場合は、草丈が低く、ボリュームの出るもの(分技性がよく半円形に茂るもの)や、しだれる植物(つる性のもの)を組み合わせると、うまく仕上がりまず。 この季節、ビギナーの方におすすめなのは、インパチェシス、ベゴニア、ジニア・リネアリス、ペチュニア、コリウス、ポットマム、アキランサス、ヘデラなど。秋の演出には、黄色やオレンジ、濃い赤、茶色など、秋の紅葉や落葉を思わせる色を組み合わせると、深みが出ます。ハンギングは植え替えが困難なので、でき上がりのイメージを十分考えて苗を選ぶことが大切。花苗は、ほどよくつぼみがつき、葉の大きさにばらつきがないもの、茎のしっかりしたものを。ひょろりと必要以上に伸びていたり、黄化した葉のついた苗は避けましょう。
手入れ
 ハンギングバスケットは自然の状態とは違う(バスケット側面の植物は横向きに植えられている)ので、植物には思いのほかストレスがかかっています。普通のコンテナ植え以上に、日ごろの手入れが重要です。 メンテナンスは「水やり」と「花がら摘み」が基本。プラス、ボリューム感を出すための「摘心」「切り戻し」もポイントです。水やりは表面の士が乾いたらたっぶりと、が原則です。特にハンギングバスケットは一般的に乾きやすいので、一日に一回は必要。また、枯れた花や葉っばはまめに摘み取り、バスケットを清潔に。この「花がら摘み」は、次々と花を咲かせるためにも欠かせません。 「摘芯」は、植物の茎の先端を切る作業。わき芽(葉のつけ根から発生する芽のこと)の発生を促す効果があります。また、全体に伸びすぎて形が乱れてきたら、茎の先端から全体の三分の一〜二分の一程度を切り詰める「切り戻し」で、きれいな形を保ちましょう。この時、葉を多めに残す、わき芽の位置を確認して切ることに気をつけて。後は、伸び出している茎を中心に、できるだけすべての茎の高さをそろえて切るようにします。なお、生育が旺盛な十月の終わりごろまでは、液体肥料を与えますが、それ以降は必要ありません。
(朝日新聞から)

観葉植物

[観葉植物の育て方と施肥の時期]
                   
 観葉植物は、暑さに強く、夏はあまり 手間をかけなくても大丈夫と考えがちですが、実は逆。春から夏にかけて のお手入れがとても大事です。
 ●置き場所
 レースのカーテン越しなど、直接日光の当たらない明るい日陰が、観葉植物にとっていちばん居心地のいい場所。強い日差しが直 接当たると、葉焼けの原因になります。また、逆に光が不足すると、弱々しく見映えも悪くなります。
 ●水やり
 土の表面が乾いてきたら、水やりのシグナル。たっぷりあたえましょう。水切れすると葉先が傷みだし、水の与え過ぎは根腐れの原因になります。いきいきとした美しい葉を保つには、時々株全体に霧吹きをし、葉面つや出しティッシュなどで輝きを与えます。
●肥料
 春から秋にかけて、置肥の錠剤と、液肥または、観葉植物液を併用します。
●植えかえ
 4〜6月または、9月が植えかえ時期。1〜2年に1回は植えかえましょう。古い土を半分残し、新しい用土には元肥を混ぜこんで、植えつけます。新しい用土に園芸用土・観葉植物用を使えば、あらかじめ総合栄養素(元肥)が配合されていますから、便利です。

[春、秋球根の育て方と施肥の時期]
      
 植えた年のうちに花をつける春植え球根と冬を超す秋植え球根では、やっはり性格が違います。それぞれの性格にあわせた育て方、お手入れを。
●置き場所
 日当たりのよい花壇への直植えや、プランターや鉢に植えて窓辺やベランダで育てるのが一般的。チューリップ、ユリ、スイセンなどの秋植え球根は、寒さに十分当たらないと花をつけませんので、冬でも屋外で管理するのが基本です。
●水やり
 植えつけた後しばらくの間は、土の上に変化はありません。でもその間にも根は一生懸命動いていますから、水やりを忘れずに。芽が出た後は、土の表面が乾いてきたら、水を与えてください。
●肥料
 春植え球根は、芽が出てから花が開くまで月に1回づつのペースで。秋植え球根は、芽が出た時と花後に与えます。花後に与える肥料は「お礼肥(おれいごえ)」と呼ばれ、翌年のために球根を太らせる大切な役割があります。葉を残して花だけを切り、1週間に1回、1ヵ月間与えます。鉢植え・プランター植え、には液肥、花壇には顆粒が便利です。
●植えつけ
 花壇の場合は、30〜40cm掘り起こし、腐葉土、苦土石灰を入れて、混ぜ込みます。鉢・プランターには、総合栄養素
(元肥)があらかじめ配合された園芸用土が便利。ユリを除き浅めに植えつけましょう。
[多肉植物の育て方と施肥の時期]
 
 多肉植物というのは、サボテンやアロエの仲間のこと。温度管理さえ気を付ければ育て方も思うほど難しくないので、ぜひトライしてみてください。
●置き場所
 季節によって置き場所をかえるのが、上手に育てるコツ。春と秋には戸外の日当たりの良い場所に、夏は涼しい日陰、冬はできるだけ暖かい場所におきましょう。日が短くなると花芽をつけるシャコバサボテンは、秋に外灯の下に置いたり、夜間明るい室内に置くと、花のつきが悪くなります。また冬、暖房のきいた室内に置く場合は、乾燥で蕾が落ちないよう株全体に霧吹きをします。
●水やり
 シャコバサボテンを除いて、春から秋に土が乾いたらたっぶり水をやってください。シャコバサボテンの場合、水のやり過ぎは根腐れの原因になりますから、8月でも月に3〜4回で十分です。
●肥料
 置肥錠剤と微粉または原液を併用します。基本的に春から秋まで継続的に与えますが、サボテンなどは春と秋だけ与え、シャコバサボテンは7月下旬以降、肥料は与えません。
●植えかえ
サボテン以外は4〜5月に元肥を混ぜ込んで植えかえます。サボテンの植えかえ時期は8〜9月。用土には、総合栄養素(元肥)配合でそのまま使える園芸用土、サボテン多肉植物用が便利です。
シャコパサボテンを育てるときのコツ
 4月に伸び過ぎた茎先を2〜3節摘んでやると、新芽が多く出て株張りがよくなります。また8月中旬〜9月上旬に茎の先端から出る新芽には、蕾がつきませんので、指先で摘んでやります。
 観葉植物は熱帯や亜熱帯が原産地なので、寒さが苦手。室内では、寒さ対策と暖房による乾燥に気を付けましょう。種類別の最低温度は
 ▽アンスリュームは12〜15℃
 ▽ドラセナ、ペンジャミン、ポトス、パキラは7℃
 ▽ユッカ、カポックは0〜3℃が目安。
 日当たりのよい窓際は夜間になると急激に温度が低下するので、鉢の居き場所を移動させたり、鉢を重ねて間に発泡スチロールなどの断熱材を入れたりして、寒さから守りましょう。水のやり過ぎは厳禁で、乾かし気味に。鉢の受け皿に水がたまっているのもだめ。熱帯の植物は温度が上がるとグングン成長しますが、気温の低い冬場は肥料をやる必要はありません。
 気温の上昇する5月中旬以後は、熱帯や亜熱帯が原産地の観葉植物も戸外に出したまま栽培できるようになります。室内は風通しが悪く、日照や湿度が不足しがちなので、10月ごろまで戸外に出す方が引き締まった丈夫な株に育ちます。
 室内の弱光下にあった株を急に日光に当てると、葉焼けを起こすことがあるので、東側の軒下や木陰に置いた寒冷紗(かんれいしゃり)で日よけをするなどして、段階的に明るい場所に移し、徐々に慣らすようにします。なお、夏は種類により葉焼けを防ぐため30〜50%の日よけをします。
 生育が旺盛になるので、水やりは鉢土の表面が乾いたら鉢底から流れ出るぐらい十分に与えます。肥料は緩効性の肥料を月に1回ぐらいか速効性の液体肥料を10日に1回ぐらい施します。

ハーブ 

ハーブに適した土と鉢
 ほとんどのハーブは、水はけ、水もちのよい土でよく育ちます。水はけをよくするための粒の大きい土、水もちをよくするための粒の小さい土、さらに栄養分ともなる腐葉土などを混ぜます。最近では専門家がブレンドしたハーブ専用の土や培養土があるので、これらを利用すると便利です。 栽培に通している鉢は一般的に素焼きの鉢です。これは通気性、排水性にすぐれていて、水が多過ぎれば側面から蒸発して過湿を防いでくれます。プラスチックや陶器を使うときは、排水性のよい土を増やしてあげましょう。
 ●苗からの我培が簡単
 ハーブは種でも苗でも、園芸店やホームセンターなどで入手できます。たいていのハーブは種から栽培できますが、発芽までの管理や間引きなどの作業の時間と労力を考えると、苗から育てたほうが簡単なのでおすすめです。とくに、春は苗を植えるのに最適のシーズン。この時期に植えつければ、夏から秋まで花や収穫が楽しめます。
基本の苗の植え方
 鉢の底の穴にプラスチック網などのネットを敷き、底が見えなくなるくらい、赤玉など大きい粒の土を入れます。こうすることで、水はけがよくなります。培養土やハーブ用にブレンドされている土にあらかじめ緩効性肥料(これを元肥といいます)を入れてよく混ぜ、鉢の底に少し入れます。苗を鉢の中に−度入れて、高さを見ます。このときの土の高さは、鉢の上部から2cm下の高さくらいが適切です。高さに合わせてすき間に残りの土を入れていきます。トン、トン、と鉢の底を軽くたたいて、土をならします。苗の根もとの高さをまわりの土と同じか、やや高めにすると水はけがよくなります。最後に水をやり苗を落ちつかせます。鉢穴から流れ出すくらい、たっぷりと水をやります。植えつけ直後は苗が弱るので、雨風の当たらないやや日陰の場所に2〜3日置きます。
ハーブの水やり
 大半のハーブは乾燥に強く、水をやりすざると根が窒息して枯れる原因になります。水やりの基本は指を土の中に入れて第一閑節まで乾いていたら、鉢穴から流れ出るほど水をあげること。日中に過剰な水分が蒸発できるよう、午前中にあげることも大切です。
最適な温度
 たいていのハーブは、一日中日の当たる場所で育てるとよく育ちます。生育の適温は、約15〜25度です。ハーブは比較的暑さに強いのですが、暑い時期に熱されたコンクリートの上にじかに置くと、鉢土の温度が上がって根が傷むので注意が必要です。
ハーブに適した肥料
 肥料を与えすぎると芳香を損なってしまいますが、鉢植えの場合は水やりのたび鉢から肥料分が流出するので、定期的に補いましょう。目安は10日に1度薄めた液肥を与えます。ハーブの多くは夏の終わりごろまで収穫が続けられます。最後に収穫を兼ねて枝も切り取り、お礼肥として追肥を与えます。

レモングラス
科名‥イネ科/多年草
特徴‥レモンに似た芳香が特徴で、エスニック料理の香辛料や、ハーブティーなどに使われます。消化促進、消臭効果があります。
育て方‥日当たりがよく、強い風の当たらないところが適切です。秋までに2〜3回収穫することができます。原産地が熱帯アジアなので、冬は室内に入れましょう。
収穫方法‥春から夏にかけて背丈が1mくらい伸びた葉を、根もとから10cmくらいのところで切りとります。夏の間に2度くらい収穫できます。

ミント
科名‥シソ科/多年草
特徴‥爽やかな清涼感のただようミントは、ペパーミント、スペアミントなど種類が豊富。アイスクリームやティーに添えるだけでもおしゃれです。解熱、消炎、鎮痛、冷却効果があります。
育て方‥ハーブの中では、やや湿った土を好みますので、強い西日を避け、乾焼を防ぎます。日当たりを好みますが、半日陰でも育てられます。
収穫方法‥葉が込み合うと蒸れやすいので、茎ごと切り取ります。茎の下を10cm残しておけば、また葉が出てきます。

ローズマリー
科名‥シソ科/常緑小低木
特徴‥スッキリとした香りは使いみちが広く、肉料理やお菓子などの風味づけに使われます。細胞の酸化防止力があり、精神疲労や筋肉痛などの回復に有効といわれています。
育て方‥日当たりや風通しをよくするために、春と夏に刈り込むとわき芽が出て、株が充実します。肥料は控えめに与え、日当たりと水はけのよい場所で育てます。
収穫方法‥菓は1年中収穫を楽しめます。枝ごと切り、たくさん取ったときは乾燥させて葉をしごいて保存します。

ラベンダー
科目‥シソ科/常緑小低木
特徴‥リラックス効果抜群のラベンダー。紫の美しい姿は、ガーデニングに最適です。収穫したものは切り花にしたり、ティーやクラフトやポプリなどにも利用できます。
育て方‥肥料は少なめに。水はけがよく風通しのよい場所を好みます。やや乾燥ぎみに
したほうがよく育ちます。
収穫方法‥切り花として楽しむ場合は花が開いてから摘み取り、ドライ保存するときは、花が3、4輪開いたら葉を4枚くらいつけて枝ごと切り取って乾燥させます。

バジル
科目‥シソ科/一年草
特徴‥パスタやピザなど、イタリア料理には欠かせません。シソとは兄弟のようなハーブで、消化促進効果があり、抽出油は頭痛止めにも。
育て方‥日当たりがよく、水はけと水もちのよい肥沃な土が好み。土が乾き切ると枯れてしまうので注意しましょう。
収穫方法‥一年心早ですが、収穫時期が長いのが特徴。必要な分だけ新芽のすぐ下の葉を摘み取ります。花が咲き始める6月が最も香りがよく葉も柔らかで、8月上旬に思い切って刈り取ると新芽が出ます。


球根植物

 球根植物は咲く期間は短いけれども、華やかで目立つ花を咲かせるものが多く、特に秋植え球根のチューリップ、ムスカリ、ヒヤシンスは欠かせないものです。植えてしまえば、ほとんど手間がかからないのもいいところです。ガーデニングの初心者でも失敗がなく、確実に咲かせることができます。

[選び方]
 よい状態のものを選ぶには、出始めの早い時期に買い入れます。9月初旬には店頭に並び始めます。できるだけ大きくてキズのない、皮があまりはがれないものを選びましょう。

[植え付け時期]
 秋植え球根の植え付け時期は、気温が15度前後になる10〜12月ごろで、寒冷地では9月下旬ごろとなります。冬の寒さを経験してはじめてよい花を咲かせます。

[植え方]
 コンテナ類は、やや深めなものに、中でもユリ類は深く植えなければ育たないので、30〜50cmくらいの深さのコンテナに20〜30cmの探さに植えます。
 そのほかの球根は、あまり浅く植えると乾燥しやすく、芽が出たときに伸びて倒れたりもするので、球根の大きさ、高さの2倍くらいの覆土にすることが基本。
 コンテナに植える場合、土の探さが限られていますので、球根が隠れるくらいに植え、球根の下に根が張るスペースを確保してください。
 早めに買い入れて、植え付けて、水を与えずに、北側や、雨の当たらない所に置き、寒くなったら、水を与えてもかまいません。


植物の育て方と肥料の使い方

[洋ランの育て方と施肥の時期]

 デリケートで難しいと思われがちな洋ランも、きちんと手をかければ、神秘的で美しい花姿が、ご家庭で楽しめます。

●置き場所
 5月上旬から屋外へ。夏は直射日光を避けて風通しのよい明るい日陰や木陰で管理します。その際、コンクリートの上へ直接置くと照りかえしなどで夏バテしてしまうので、棚などの上に置きましょう。10月中旬ごろには、ガラス越しに日光の当たる室内に入れませす。

●水やり
 5〜9月までは、土の表面が乾燥してきたらたっぶり与えてください。特にシンビジュームは朝夕2回与えるようにします。その後、秋が深まると共に水やりの回数を減らします。特に秋の長雨には絶対に当てないよう注意しましょう。

●肥料
 春の芽出し時期に置肥し、その後、液肥(微粉や原液など)または洋ラン液を与えます。ただし、シンビジュームは、置肥錠剤と液肥を併用します。なお、洋ランは開花中は肥料を与えません。

●植えつけ
 コチョウランは、春または秋に。カトレア、デンファレ、デンドロビューム、オンシジュームは3〜5月に水苔で植えかえます。水苔を使う際はあらかじめ湿らせ、しつかり詰めるのがポイント。シンビジュームは2〜3年に1回、3〜4月に鉢から抜き、古い土をすベて落とし園芸用土・洋ラン用で植えかえます。

[草花の育て方と施肥の時期]

 パンジーやペゴニア、マリーゴールドといった草花類は、最も手軽にガーデニングが楽しめる園芸種。ベランダガーデ ニングの入門用としても最適です。

 ●置き場所
 インパチェンスやコスモスなど春まきのものは、風通しの良い屋外で。パンジーやデージーなど秋まきのものは、寒さにも強いの で、冬でも屋外に出して日光に十分当てるようにすると株も張り、花着きもよくなります。咲き終わった花を早めに摘み取るのがポイントです。

 ●水やり
 土の表面が乾いてきたら、鉢底から流れ出すくらいたっぷりと水をやります。プランターの場合は、根腐れしないよう、時々排水口から溜まった水を捨てるようにします。花には水をかけないのがポイントです。

 ●肥料
 鉢やプランターの場合は、構えつけの2〜3週間後より花が終わるまで液肥(微粉や原液など)を7〜10日に1回、1ヵ月後より置肥錠剤を2ヵ月に1回与えます。花壇の場合は、植えつけ1ヵ月後より月に1回顆粒を与えます。

 ●植えつけ
 鉢やプランターの場合は、水はけがよく、有機物を含んだ用土に苫土石灰と元肥を混ぜ込みます。あらかじめ総合栄養素(元肥)が配合された園芸用土、あらゆる植物用ならそのまま使えて便利です。花壇の場合は、日当たり、水はけの良い場所を選び、深く掘り起こし、腐葉土と苫土石灰、を混ぜ、浅植えにします。

[野菜の育て方と施肥の時期]

 育てる楽しみに、収穫の楽しみが加わるのが野菜類。実を結ぶまで本当に待ち遠しく、自分の手で育てた野菜のサラダは、おいしさもまた格別です。

 ●育てる場所
 トマト・キュウリ・ナスは、日当たりと水はけのよい場所に。夏の暑さに弱いホウレンソウ、パセリ、レタスなどは、1日のうち半日は日陰になる場所で管理します。イチゴは水はけの良い場所に浅く植えつけます。

 ●水やり
 水切れさせると、実が早く落ちてしまいがちになりますから、絶対に乾かさないようにし、特に鉢やプランターで育てる場合は、毎日たっぷり与えます。

 ●肥料
 トマト、キュウリ、ナスなどは、植えつけの2〜3週間後より、イチゴは3月頃に、原液または野菜液を与えます。またトマトは肥料を特に必要とするので、植えつけ1ヵ月後より日に1回顆粒を与えると効果的です。

 ●植えつけ
 植えつける3週間前に土を深く掘り起こし、苦土石灰と腐葉土などを混ぜ、元肥を入れます。土が痩せてしまうので、同じ野菜を同じ場所に繰り返して植えないようにするのが、ポイントです。

[シクラメンの育て方と施肥の時期]

 彩りのない冬に、花を咲かせてくれるシクラメン。やわらかな日差しが注ぐ窓辺に置いておくだけで、気持ちまでポカポカさせてくれます。

 ●置き場所
 冬咲きですが、実は日光が大好き。花が咲いている時は、日当たりのよい窓辺に置き、時々鉢の向きをかえて株全体に光が当たるようにします。急激な温度変化は禁物、昼夜の温度差の少ないところで管理します。花が終わる3月頃から屋外に出して日光に十分当て、夏は直射日光を避けるようにします。

 ●水やり
 鉢土の表面が乾いてきたら、午前中に鉢底から流れるくらいたっぷりと株元に与えます。受け皿に溜まった水は、根腐れの原因になりますので、こまめに捨てるようにします。

 ●肥料
 開花時期に液肥(微粉や原液など)を与えると、花が長く楽しめます。

 ●植えかえ
 ひとまわり大きい鉢を用意し、元肥を混ぜ込んで植えかえます。年に1回、8月下旬頃が植えかえ時期です。

[睡蓮の育て方と施肥の時期]

 ●植え付け

  1. 小粒赤玉土に水を少し加え、角材などで細かく粒状に砕く。
  2. 握っても崩れない状態になるまでよく練る。(田土や荒木田土ならここまでの作業は省略)
  3. 平鉢には鉢底網を敷き、練った土を押しつけながら2〜3cm程の厚さに敷く。肥料をバランス良く押し込む。(親指の先大のもの3個が目安。)
  4. 肥料の上に土を少しかぶせ、株の成長点(芽が出る部分)が鉢の中央になるように据える。
  5. 鉢一杯に土を入れ、株が浮き上がらないように良く押さえつける。
  6. 水を張った睡蓮鉢に鉢を沈める。

 ●置き場所
 日当たりの良い場所に置きます。

 ●水やり
 水がひどく濁ったり、古くなったりすると花芽が付きにくくなるので、1週間に1度、新しい水を補給します。水の容量の1/3ほどを入れ替えます。

 ●肥料
 生育期間が長いので月に1回元肥とおなじ固形肥料(発酵油かす固形肥料(玉肥))を同じ量、土に埋め込んで追肥します。多肥により葉が茂りすぎると花つきが悪くなるので注意します。

 ●間引きと花がら摘み
 葉だけでなく株元にも充分日光が当たるように葉が重なるほど茂ったら葉を間引きます。花は夜明けから2時間ぐらいで開き、夕方には閉じます。これを2〜3日繰り返します。花がらは付け根から摘んで下さい。

 ●病害虫の防除
 植え付け後、新葉が展開して蕾が上がってくるとその蕾にアブラムシが発生しやすいので発生したらなるべく早く駆除します。

剪定

 植木の剪定(せんてい)などの手入れは3月初めごろから始めるのが理想です。
 不要な枝をそのまま放っておくと通風や日照を妨げ、樹木の生育に悪い影響を与えます。
 不要な枝というのは、下に向かって伸びている逆枝、たち上がっている立ち枝、重なったり、からみあっているからみ枝、植木の根元から生えているひこばえなどです。
 サツキ、ツツジ類は、花の咲き終わった5、6月ごろに行います。それ以後の剪定は新しい花芽を切るので注意が必要です。

宿根草の株分け

 長年植えていると根がはって、鉢の底から根が出ている状態になりますと根も張らないし、土も少なくなって水切れもしやすく新しい葉もなかなか出てこないので花が小さくなったり、花が付きにくくなってしまいます。
 株分けは通常秋にするものですが春に咲く物でなければ根をいじっても良いと思います。まず、枯れた葉や花がらは株元から取り除きます。そして鉢の側面をトントンとたたいて、鉢から抜きます。この時、茎や葉を持つと根の重みでちぎれることがありますので丁寧に行います。
 次に割り箸を1本用意し、巻いた根っこに付いた土を丁寧にこそげ落とし、根をほぐしていきます。葉は茂っていると思いますが株元をよく見ると、きっと分かれるところがあります。その分かれるところを狙って根からはさみを入れて切り分けます。芽数でいうと1株に2〜3芽ぐらいつけてください。その際、根を引っ張らないように。1つの株に必ず無数の根が付いていますので大切にしてください。
 植木鉢に根を広げて植え付けますが深植えは厳禁。土は元肥を入れたプランターの土でOKです。植え付け後、2週間ほど経ったら1000倍に薄めた液肥をやります。土の表面が乾いたら水をたっぷりとやって下さい。そうするとゆっくりですが葉っぱが出てきて秋口ぐらいにはまた花が見られます。

季節の花

冬から春にかけて咲き続ける花
パンジー、プリムラ·ジュリアン、プリムラ マラコイデス、クリサンセマム·パルドサム、エリカ、ストック、ボロニア、ハボタン
春の訪れを告げる可憐な花
クロッカス、ヒヤシンス、スイセン、クリスマスローズ
華やかに春から初夏へ咲き誇る花
デージー、アネモネ、クリサンセマム·ムルチコーレ、フリージア、チューリップ、ムスカリ、アリッサム、ミムラス、アイスランドポピー、ネモフィラ、ベニジューム、ワスレナグサ、リナリア、ディモルフォセカ、ブルーデージー、カルセオラリア、マトリカリア、ユリオプスデージー、マーガレット、ラナンキュラス、ニゲラナデシコ、ブラキカム、ナスタチウム、ゼラニウム、フクシア
晩春から初夏に咲くさわやかな花
ロベリア、デルフィニウム、アジサイ、ルピナス、キンギョソウ、バラ、オダマキ、ラベンダー、カスミソウ、ギボウシ、カンパニュラ·メディウム、アガパンサス
晩春から秋までで長く楽しめる花
ペチュニア、ベゴニア、バーベナ、インパチエンス、サルビア·スプレンデンス、コリウス、ルリマツリ、サルビア·ファリナセア、トレニア、ブルーファンフラワー、マリーゴールド、アゲラタム
真夏にも休みなく元気に咲く花
ハナスベリヒユ、アメリカンブルー、ニチニチソウ、カンナ、センニチコウ、クロトン、ランタナ、ノボタン、クフェア、クルクマ·シャローム、キャットテール、メランポジューム、マツバボタン
秋を彩る風情のある花
コスモス、サルビア·レウカンサ、キク、キバナコスモス、ユウゼンギク、ブロワリア、コムラサキ、ビデンス、ヘリアンサス·ゴールデンピラミッドカバノランタナ、テランセラ、ピラカンサ、ベニチガヤ、ススキ
花を引き立てる寄せ植えの名脇役
ヘデラ、ツルニチニチソウ、プレクトランサス、ヘリクリサム·ペティオラレ、シロタエギク、セネシオ·レウコタキス、ツデー、グレコマ、ラミューム、アスパラガス·スプレンゲリー、ヂュランタ ライム、ベアグラス、アカバセンニチソウ、メキシコマンネングサ、セイヨウイワナンテン、コクリュウ、ハツユキカズラ、アメリカツルマサキ
寄せ植えの幅を広げるコニファーなど
モントレーイトスギ·ゴールドクレスト、ニオイヒバ·ヨーロッパゴールド、サワラ·ボールバード、サワラ フィリフェラオーレア、ローソンヒノキ·シルバースターヌマヒノキ·レッドスター、ニイタカビャクシン·ブルーカーペット、ニューサイラン、レイランドヒノキ·キャッスルウェランゴールド、ニオイヒバ·ラインゴールド、リュウゼツラン

生け花

  ●生ける前
 春なら2分咲き、秋なら3分咲きぐらいを目安に早朝に切る。花は切ってすぐに生けるとしおれたり、枯れたりしやすい。必ず水揚げして休ませる。水切りはその基本で、深めのバケツに冷水を入れ、花首の直ぐ下までつけ、その中でよく切れる刃物で茎を斜めに2〜5cm切り、そのまま30分〜1時間つける。これで導管に空気が入らず茎が水を吸収しやすくなり花が生き生きしてくる。
 ●種類ごとのポイント
 あくの強い山野草や切り口から白い液が出るブルースターなどは、10cmぐらい根本を残して新聞紙でくるみ、切り口から5cmほどのところまで熱湯に約5分つけ水に移すこと。コチョウランなどラン類もぬれた新聞紙でくるみ、ガスの火などで切り口から2〜5cmの部分を赤くなるまで強火で焼き、すぐに水の中へ。殺菌効果があり、切り口が炭化するので水が汚れにくく、長持ちする。
 バラもこの方法を使えば、生き生きした状態が保てる。テッセンなど硬い茎は根本から5cmぐらいを木づちなどでたたく。技物は十文字に切り込みを入れると水をよく吸う。
 ●花を長持ちさせるには
 切り花を生けるとき花瓶の中に十円玉を2〜3個入れておきます。十円玉は銅貨なので、水中に銅イオンが少しづつ出て草花が腐るのを防ぎます。特に夏場におすすめ。
 こまめに水を取り換えて清潔に保つこと。葉が水につかると、雑菌が繁殖するので不要な葉は取る。切り花は乾燥に弱いので、冷暖房などの風が当たらない場所に置く。時々、葉の表と裏に霧吹きで水分を与えると効果的だ。その後は毎朝茎の下の方を1〜2cmぐらいづつ水切りし、花瓶の水を取り替える。

主な園芸テレビ番組

NHK教育 趣味の園芸 日曜日 8:30〜9:00 金曜日 5:25〜5:55
NHK教育 ガーデニング 月曜日 9:35〜10:00
NHKBS 世界の庭 火曜日 19:00〜
サンTV 手作り、花作り  月曜日 19:30〜20:00

各植物

バラの苗(新苗と大苗)
 バラ苗には「新苗」と「大苗」とがあります。「新苗」は4〜6月頃、ポット入りで売り出されます。接いでからまだ日が浅いので、苗が小さく、扱いには充分注意が必要です。「大苗」は、新苗より接いでからの期間が長く苗も大きめで、秋〜翌春頃までの間に売り出されます。植え付けの時期を考えると、12月頃に買い求めるのが最も良いと言えるでしょう。

苗の選び方
 ポイントは3点。
1.新鮮な苗であること、
2.がっちりとしていてよくしまった苗であること、
3.病害虫のない健全な苗であること。以上をじっくりとチェックし、良い苗を選びましょう。

大切な日当たり、風通し、水はけ
 バラはもともと丈夫な植物ですが、良い条件の環境に植えてあげればそれだけよく育つし美しい花を咲かせます。バラはお日様が好きなので、出来れば直射日光が1日3〜4時間くらいは当たるような場所、そして風通し(病害虫の発生を抑える)と水はけの良い場所へ植えましよう。またバラは、一般的に赤土や粘土質、弱酸性の土を好みます。

用途に向いた種類を選ぶ
 バラには、いろいろな種類があり、バラをどんなふうに楽しみたいのか、その目的に合った種類を選ぶことが大切です。例えば、花壇用には樹高がさほど高くなく、花が次々にたくさん咲き、丈夫で花持ちも良いフロリバンタ等がぴったりだし、コンテストに出品するのなら、大きくて存在感のあるハイフリッドティなど見栄えのするものや珍しいもの、またアーチやフェンスに仕立てるならつるバラといった具合に。
 漂いくる甘い香りに周辺を見渡すと、黄色というよりはオレンジ色に近いたくさんの小花が、つややかな濃い緑の葉に見え隠れしています。中国原産の常緑小高木で、最もポピュラーな庭木のひとつです。乾燥した花はポプリや薬味酒に利用されます。
 丈夫で育てやすい樹木なのに初期生育が遅いので、庭に植えるのは五〜六年生のやや大苗がよいでしょう。植え付けは成長の始まる三〜四月ごろが安全。日当たりと排水のよい場所を好みます。排ガスなど空気の汚染に敏感に反応し花をつけなく在ります。
 好みの樹形に仕立てたり、伸びすぎを抑えたりする剪定や風通しを良くする枝すかしは適宜行います。しかし、春に伸びた枝に八月ごろ花芽が形成され始め、約二カ月で開花しますから、整枝・剪定は春の成長開始前か開花後にしないと花が咲きません。
 キンモクセイは雌雄異株の植物ですが、なぜか日本に導入されたのはほとんどが雄株だったため、結実しません。種ができないので、春に伸びた枝が成熟する五〜七月に挿し木で増やします.四〜五葉を残した技の先端十〜十ニセンチを挿し穂とし、赤玉士、鹿沼土など保水性のよい用土にさします。穂木の切り口を傷めないことと、空中湿度を高め、葉のしおれを防ぐことが成功のポイント。植え替えは翌春の成長開始期です。花いっぱいのキンモクセイが見られる環境を保ちたいものです。
 【特徴】
 もともと日本に自生していた花木の改良種で、害虫や病気に強い。周囲に花をつけるガクアジサイ、全体に花をつけるハイドランジア(西洋アジサイ)が一般的。花の色は、鮮やかな水色のほか、薄紫、ピンク、白などがある。梅雨時に咲くので雨が似合うが、株そのものは日当たりを好む。年々、株が大きくなるので、コンパクトに切り詰める必要がある。

 【切り詰め方と挿し木】
 切り詰め方のポイントは、花が終わった枝ごと行うこと。一般的には、上から第2節目のすぐ上で切る。庭植えや鉢植えで、株が大きくなり過ぎたら、花が終わった枝を、花をつけなかった枝との分岐点近くで切り取る。そうすれば、花をつけなかった枝に、翌年、花が咲く。一方、切り取った枝は挿し木に利用できる。2節分に切り、下の葉を除いて、赤玉土の小粒などの用土に挿せば、新苗を作ることができる。切り花で楽しむ場合、枝は緑色の部分から切り、逆さ水や切り口を砕いて焼くなどの工夫が必要です。水揚げの際、ミョウバンをすり込むという方法もあります。

【管理】
 葉が大きく、水が蒸散しやすいので、特に容器栽培では小まめに水をやる。用土の酸度が花色に影響するので、肯系は士にピートモスなどを加えて酸性に、赤系はアルカリ性の苦土石灰を少量加える。
花ことばは「無情・高慢・ほら吹き」です。
 サンスベリアは、刀のような葉に虎斑のあるリュウゼツラン科。古くから観葉植物として家庭でよく見かけます。アフリカの熱帯や亜熱帯の乾燥地が原産で、乾燥には非常に強い性質を持っています。サンスベリアやサボテンなどの熱帯乾燥地の植物は、土が湿っている時は生育期間にあたりかなりの高温を必要とします。が、乾燥期になると昼間は40度、夜は0度近い温度という一日の気温差が大さいところで育っていきます。 そのため、乾燥させておけば、関西でも暖房なしで冬越しが可能なものが多くあります。冬越しのコツは、暖かくなるまで水をまったく与えず、玄関の隅に放っておくぐらいの気持ちでいることです。
 華やかで個性的な花が人々を魅了する洋ラン。栽培は難しいと思われがちだが、「こつさえつかめば、長年花を咲かせることができます」

 【種類】
ランは進化の真っ最中で、品種は10万種を超える。市販のランの多くには、「シンビジウム・メロディフェア、マリリンモンロー」というふうに、属名、種名(交配種名)、個体名の順番で品種名が表記されたラベルが付いている。

 【様々な特性】
数多いランを形の違いでみると、複茎性と単茎性に分けられる。カトレアなどの複茎性は、毎年新牙を出して茎(バルブ)が増え、パンダなどの単茎性は、葉を上に伸ばして新芽を出す。単茎性なら葉の面積が広く枚数の多いものを、複茎性ならバルブや葉が多いものを選ぶ。初心者には複茎性が育てやすい。
また、地面に生える地生ランと、岩や樹木にへばりつく性質の着生ランとに分類され、根の構造の違いで水のやり方も異なる。花の咲く時期や、大型、小型といった大きさの違いにも気を付けて選びたい。

 【温度特性】
栽培の重要ポイントは、その種類の育つ適温を知ること。寒さに弱い「寒がり」、暑さに弱い 「暑がり」、暑さ、寒さに比較的強い「強健」 の3タイプに大別でき、日本では「強健」が育てやすい。設備を整えれば「寒がり」 「暑がり」 タイプも育てられる。主な九つの属は下記のように分けられる。

  寒がり
コチョウラン、デンファレ、バンダ、カトレア

  強健
ミニカトレア、オレンジウム、パフィオペディラ、シンビジウム、デンドロビウム
 ヨーロッパでは春を告げる使者として親しまれていますが、春咲き種だけでなく、秋咲き種、冬咲き種もあることはあまり知られていない。地中海沿岸から小アジアにかけて広く自生し、80種を数えると言われている。地上茎がなく、地下に短縮した茎(球茎)だけがあり、大変短い花茎を伸ばして先端に花をつける。
 春咲き種は長年にわたって改良が加えられた園芸品種で、この中の極早生咲きが冬咲き種である。大輪で、白、紫、黄色のほか、紫と白の絞り模様など花色は豊富である。育て方は所を選ぶことが第一条件。さらに有機質に富み、水はけの良い砂質壌土ならば申し訳ありません。花壇は、アヤメ科の品種を育てたことがない場所は避ける。鉢植えの場合、4〜5号鉢ならば球根を5〜7個、土の表面から2cmぐらいの深さに埋め込む。土に適当な湿気があれば20日ぐらいで発根するので、500倍程度の液肥を月に1回、水の代わりに与える。花が終わったら花を切り取る。葉が黄色く変色したら球根を掘り下げて日陰で良く乾かした後、枯れ葉、古い根、古い球根を取り除き、涼しい所で保管する。 
 キク科でモクシュンギク(木春菊)という和名を持っていますが、一般的にマーガレットで通用しています。アフリカ沖の大西洋に浮かぶカナリア諸島が原産の半耐寒性多年草で、茎の基部が木質化します。
 園芸品種が明治時代に多数導入されました。切り花用としてそれ以前に入ったものは「在来白」と呼ばれ、霜の降りない暖かい土地やハウスなどで栽培れています。ほかにも多くの品種が育てられ、黄色花、桃色花や八重咲き、丁字咲きなどや、ポットやプランター向きの矮(わい)性種も見られるようになりました。
 春先、ポット植えで売られているのは、ハウスや暖地で育てられたものなので、日当たりのよい室内に置きます。用土の表面が乾いたら十分に水やりをします。過湿に弱いので、やり過ぎないように注意してください。
 霜の心配がなくなれば、日当たりのよい戸外に出します。半月おきに緩効性の化成肥料を三〜四粒、土の上に置き肥するか、五百〜六百倍の液肥を与えるとよいでしょう。
 初夏に花が終わったら、枝を半分ぐらい切り詰め、半日陰の涼しい所で夏越しさせます。切った枝を挿し穂にするか、九〜十月に枝先を挿し木し、株の更新、増殖ができます。冬は明るい室内で越します。
 【苗の植え付けと栽培方法】
フリルのような細かい切れ込みの入った花びらが愛らしいナデシコ類。属名から「ダイアンサス」 とも呼ばれる。交配しやすいので品種が多く、花の色も赤、ピンク、白の単色、さらには赤と白、ピンクと白の2色など多彩だ。

【苗の植え付けと栽培方法】
3、4月に苗が出回るので、わき芽が多いものを選び、4月末までに鉢や花壇に植え付ける。過湿に弱いので、移す方の土の表面から根鉢が少し出るぐらいに植える方がよい。日当たりと水はけのよい場所を好み、5月から6月末ごろまで、直径3…5pの一重の花を一斉にたくさんつける。
種からでも育てやすいので10月にまいて苗を育てておけば春に苗を購入して植え替えるよりも株が大きくなる。ただし、根が細く、根づまりを起こしやすいので気をつける。

 【園芸品種と野生種】
代表的な園芸品種はセキチク(草丈20〜30pとヒゲナデシコ (同50p)。これらを交配した品種や、同じダイアンサス属のカーネーションとかけあわせた品種もダイアンサスと呼ばれる。カーネーションとの交配種は半八重の花が咲く。日本の代表的な野生種は山野や河原に自生し、ピンク色の花をつけるカワラナデシコと、海岸近くに生える薄紫色のフジナデシコがある。

 【メモ】ナデシコ科。
原産地はヨーロッパ、北アメリカ、アジア

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