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Getting Mad 　怒っているんだぞー

済みまへん。たわごと、愚痴が多くなる年代だー。あまり深くに考えず、適当に読み流してね。

• 中国のAI事情

  　中国政府は、AIを将来の最優先技術として２０１７年に「中国は、２０３０年までにAIで世界をリードする」という目標を設定しました。
  
  　AIの技術開発においては、ビッグデータをどれだけ集められるかが重要ですがそれを簡単に集めることができる中国は、AIのディープラーニングにおいて、有利な立場に立っています。中国の特殊な社会、国家構造がAIの発展に有利に働いているのです。中国政府が監視国家を志向する傾向が強いことに加え、国民の側でのプライバシーの意識が弱いのが一因です。広州市で行なった調査では、回答者の５９％が監視カメラの増設が治安向上に有効だと答えています。つまり「国に守られている安心感がある」との考えがあるようです。
  　監視カメラによって中央の権力者にとって都合の良いデータが良いものとされる危険性は大いにあります。そうなれば、究極の全体主義国家となってしまいます。
  
  　同じことが、プロファイリングについても言え、正確なプロファイリングには望ましい面があります。例えば貧しい家庭に生まれて能力がある人の能力を正しく評価してもらえるでしょうし、健康に気をつけることによって健康保険の給付金額が増えたり、優良運転で自動車保険の保険料が下がったりするのも良いことの例です。品行方正にしないと信用度評価の評点が下がるので人々は信頼を失わないように心掛けようとします。
  　半面、個人信用評定について懸念されるのはそれが融資の際の評価に用いられるだけでなく様々な用途に用いられる可能性があるからです。例えば信用度が低いと航空券を買えないといったことが実際にあるようです。そうしたことが進めば、この点数が個人の一般的な評価が社会的に用いられることになってしまうでしょう。
  　点数による評価が一企業によって決められてしまうことに対して、中国の国民はあまり強い危険を感じていないようです。
  
  　中国には全国民の戸籍、経歴や賞罰などを記録し、行政が管理する「人事楢案（タンアン）」という制度が昔からありました。これは思想、信条、発言内容などの個人情報を集めたファイルで個人一代だけでなく、祖父母の代にまで遡って情報を集めています。
  　計画経済時代には進学や就職、昇進などに利用されていました。しかしその時は電子化が進んでいなかったのであまり効率的ではありませんでした。現在の中国には政府が運営する全国民の個人番号システムがあり、満16歳になると身分証を交付されます。それにはＩＣチップが内蔵されており氏名、性別、民族、生年月日、住所、顔写真、そして「公民身分番号」が記録されて、公安部（警察を担当する中央官庁）が管理しています。　公民身分番号は１８桁の数字であり、納税や銀行口座開設などの際に必要とされてホテルに宿泊する時や高速鉄道、飛行機の切符を買う時にも提示が求められます。監視システムを運用する基礎はこうしたデータベースです。身分証は２０１７年末から電子化（オンライン化）され、政府にとってさらに強力な国民管理の手段になるでしょう。
  
  　中国政府はこれ以外にも詳細な個人情報も収集しており、運転免許証やパスポートのデータなどを持っています。さらに犯罪者に関してはより詳細なデータが収集されています。監視カメラの映像から犯罪者やテロリストを発見することはこうした情報があるから可能となっています。中国政府は様々な方法で詳細な個人情報を更に集めているようです。
  　警察は標準的な情報収集の際においても指紋や手のひら採取、顔写真、尿およびＤＮＡサンプルといった生体認証データ、そして音声パターンも収集しています。公安部のデータベースには10億人以上の顔データと４０００万人のＤＮＡサンプルが記録されているといわれています。
  　そうしたデータは公民身分番号とリンクされ銀行口座記録や高速鉄道や飛行機での旅行歴、そしてホテルの滞在記録などの詳細な個人情報と統合管理されています。それだけのデータがあればかなり詳細に個人の行動追跡することが可能です。
  
  　国際人権組織「ヒューマン・ライツ・ウォッチ（Human Rights Watch）」によれば、民族間の対立が続く新讃ウィグル自治区では１２歳から６５歳までの住民を対象に「無料検診」という名目でDNAや血液のサンプル、指紋、虹彩、血液型などの生体データがすでに同自治区の総人口の９割に当たる約１９００万人分のデータを集めたとされています。
  　「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」は中国政府の情報収集は新疆ウイグル自治区において問題を起こす危険のある人物を特定し、先んじて拘束するための「予測による治安維持」だとしています。
  
  　フィンテックが提供する新しい金融サービスは個人情報の収集にも役立ちます。こうした情報を用いて個人をプロファイリングすることができるのです。
  　ＳＮＳなどの情報を中国政府がどの程度利用しているのかは明らかでないですが、すでに検閲制度「金盾」が存在することから考えてＳＮＳから政府が個人情報を抽出することは十分に考えられます。手紙を検閲していた時代に比べれば比較にならないほど容易にかつ正確に人々が通信する情報を収集できるようになっているのです。
  　中国政府は、ビットコインを禁止し、中央銀行による仮想通貨に強い関心を示しています。これは、ビットコインでは個人情報は集まりませんが中央銀行仮想通貨であれば集まるからでしょうそして中国人民銀行はいずれ仮想通貨を発行（中央銀行の仮想通貨はビットコインとはかなり異なる仕組み）して中央銀行がすべての国民と企業の経済活動を細大漏らさず把握できるようになるでしょう。
  　こういった間題があるので欧米諸国でも日本でも、中央銀行の仮想通貨発行には技術的に可能であっても踏み切れませんが、中国ではこの間題はあまり大きな障害となりません。
  
  　ＡＩを用いれば独裁者が行おうとしてきたことはずっと効率的に実現できます。中国の国民監視システム「天網」は監視カメラが人の動きを追跡し、ＡＩを駆使した顔認証で性別や年齢などを瞬時に識別することができます。そして犯歴データが記録されているデータベースと照合するのです。
  　それに加え、プロファイリングで得られた詳細な個人情報を政府が入手できればどうなるのか？　どんな本を買い、何を検索して誰と交信したかが分かればその人の思想を読めます。これまでは外部からでは分からなかった政治的な思考が明らかになるのです。こうした詳細な個人情報を国家が得、それを個人のコントロールに用いる可能性があります。
  　歴史上、これほど強い権力基盤を持った支配者はいなかったのですが今の中国に独裁者が出現しています。
  　国中に張り巡らされた監視ネットワークから収集した大量のデータを権力者が用いて「独裁者が政権転覆を計画している者を敏速に把握し、居場所を特定し、彼らが行動を起こす前に投獄できるだろう」という見方もあります。
  
  　またアメリカでできないことが中国ではできます。グーグルは検索やメールなどの情報を用いるプロファイリングを以前から行ってきています。それを広告に用いて巨額の収益を上げています。フェイスブックも書き込みなどから同様のことを行っています。グーグルは更に個人の行動を予想してアドバイスを与える「Ｇｏｏｇｌｅ　アシスタント」というサービスを２０１６年から提供しています。勤務先などを入力しなくてもグーグルカレンダーなどに書き込まれた予定やグーグルマップの利用状況などから推測しているようです。
  　ただし、グーグルやフエイスブックは、ビッグデータを集め利用する面で本質的な制約にぶつかります。アメリカは個人主義を基礎とした民主主義社会であり個人のプライバシー保護について強い社会的要請があります。ヨーロッパの近代社会は個人主義を前提に形成され、市場経済は独立した個人の自由な行動を基本的な社会構成原理としています。西側諸国にはこういった安心感はあります。
  
  　中国という国家は、政治的には共産党の一党独裁体制であり、市場経済とは矛盾すると思われていました。仮に一党独裁体制の下で市場経済を認めれば汚職が蔓延して経済は立ち行かなくなるだろうと考えられていたからです。しかしＡＩについて言えば、以上、述べてきた理由によって中国の体制が有利になるのです。
  　これまでの工業社会では個人の自由と経済全体の発展がうまく調和できました。しかし情報産業においては産業の発展が個人のプライバシーを侵してしまいます。ＡＩには従来なかった特殊な規模の利益が働き、AIは本質的な意味で中国に合っていると考えざるを得ません。そのことが中国でいま実証されつつあるのです。しかもアメリカでは巨大化した企業は独禁法の問題に直面しますが中国にはその間題もありません。
  
  （中国のAIは世界の最先端を進んでいて日本の役所に行くより中国に問い合わせた方が多くの個人情報を得られる）
  2022/7/16

• ウクライナ侵攻

  　拒否権のある常任理事国ロシアのプーチン大統領によるウクライナ侵略の暴挙が、東西冷戦の再来にも見える「民主主義国」VS「権威主義国」の対決を加速させせています。
  　武力で国境の一方的変更を試みるロシアに、経済、安全保障の両面で連携を強める中国は暗黙の了解を与え、事実上支援していると言えます。中露と西側諸国は「第２次冷戦」に突入しているとの見方が広がっています。
  
  　常任理事国のロシアの一方的な侵略に対してロシア、中国の拒否権行使により国連は何の効果的な行動がなされていませんし、制裁も科すことができません。国連は全く機能不全に陥っており存在価値が在りません。更にロシアと交流のある国々はこの暴挙に対しても忖度で反対の意思表示はしていません。
  
  　そもそも争いの根本は多民族国家のソビエト連邦の崩壊によってもたらされたロシア圏外に残るロシア人達がそれまでの支配する側から支配される少数民族になって、多数民族であるウクライナ人との主従関係の逆転による内紛が原因であります。ウクライナで2014年、民主政変によって親欧米政権が誕生したことに反発するプーチン政権の水面下の主導で、東部のドネツク、ルガンスク２州で残存する親ロ派武装勢力が蜂起したことに端を発します。親ロ派は「ドネツク人民共和国」「ルガンスク人民共和国」と称して東部の一部地域を実効支配しています。親ロ派はロシアが政治的に指導し、軍事、経済両面で支援する「傀儡」です。ロシアは東部紛争をウクライナの「内戦」と呼んで関与を否定しています。しかしながら裏では色々なロシア＝プーチンによる工作がなされています。
  
  　「冷戦」終焉後、東欧諸国が相次いでNATO（北大西洋条約機構）に加盟し、その東方拡大がロシアにとって軍事的脅威となり、侵攻の一つの契機となったとされています。だが、これは米国が東欧諸国にNATO加盟を促したのではなく、東欧が自発的に動いた結果であります。そもそも、覇権と帝国主義は「似て非なる」概念であり、「帝国主義」はある国家が意図的に他国を自国の支配下に置こうとする権力的政治方針であり、「覇権」とは国の意図的な活動ではなく、その「政治、経済力と社会体制が圧倒的かつ魅力的」だから自発的にそれの影響下に入る状態をいいます。
  
  　あるワシントン情報筋によれば、「プーチン大統領はバルト海の覇者、ロマノフ王朝の繁栄を築いたピョートル大帝の大国化路線に敬意を払い、皇帝の遺品や宝物をクレムリンに大切に保管している」との情報があります。
  　ピョートル大帝は北方戦争（1700-21年）でスウェーデンに勝利し、バルト海の覇者となりサンクトペテルブルクを建設、ロシア近代化と大国化を推進した皇帝です。プーチン大統領はロシアとウクライナは歴史的に一つというが、ピョートル大帝後のロシア帝国に編入されただけでウクライナは17世紀の混沌下でも別個の存在でした。いわば「プーチンの戦争」は手練手管を使って元の版図に組み入れようと「大ロシア」再興を妄信した暴挙に他なりません。
  
  　かつての日中戦争での毛沢東やベトナム戦争でのホー・チ・ミンのように「負けない戦争」を戦っているウクライナはこういった国々と地形が異なり戦術には限界があります。広々とした平原では中国やベトナムのように兵器や人が隠れる場所が在りません。おまけにロシアは次々にウクライナ領地にミサイルを撃ち込んでいますがウクライナからはロシア領土に打ち込めるような射程距離の長い武器は持ち合わせていませんし西側諸国は戦争に巻き込まれるのを嫌がってそういった長距離ミサイルをウクライナに供給しようとしません。こういった点でウクライナは相当不利な状況です。
  
  　「プーチンの戦争」が勝利すれば、結果として浮上する世界は、大国政治と権力政治が支配します。暴力と闘争を中核とした秩序となります。そこでは、核兵器を保有せず、軍事力でロシアに劣るウクライナのような国家が生存することは難しいし、何よりルールに基づく国際秩序が崩壊し、国際人道法が大幅に後退した後は大国が小国を支配する「弱肉強食」の権力政治の世界です。、そこでは核兵器の数が大国と小国を分ける境界線となり、戦争が絶えない世界となります。プーチン大統領が、「ウクライナは国家ではない」としたのもそうした脈絡に他ならず、ロシアに勝利させれば19世紀への歴史の逆行を意味する以上、是が非でも阻止しなければなりません。
  
  　ロシアは西側の経済制裁に対抗してEUの弱点であるエネルギー面と核使用をチラつかせることによって対抗しています。完全に足元を見透かされています。しかし今回の最大の損失は紛争でなく世界的な経済危機であり、ロシアにエネルギー源に依存するEUはその価格の上昇により国民生活に支障が出てきています。またロシアによる黒海の海上封鎖により、世界の食料宝庫であるウクライナの穀物などが出荷できなくなって中東アフリカ諸国を中心に深刻な食料危機が目の前に迫っています。
  
  　一方、西側による厳しい制裁によりロシア経済は1990年代初頭以来の-9％に近い深刻なリセッション（景気後退）が避けられません。長期的な経済危機に今後数十年にわたりロシア経済は衰退すると思います。
  
  　プーチン大統領の最大の誤算は、ウクライナ社会の抵抗力を見誤ったことでしょう。
  　今後の世界秩序を決定づけるであろう戦いが始まったのであれば、重要になるのは欧米の結束の強さです。サミット開幕前の米独首脳会談で、ショルツ独首相「プーチンが予想できなかったのは我々が結束し続けていることだ」。バイデン米大統領「プーチンはＧ７が分裂すると見込でいたが、それはなかったし今後もない」と発言していますがこの結束がいつまで続けられるかが今後の展開に大きく影響してくると思われます。
  
  　ロシアにエネルギー源に依存する欧州各国には痛みも伴うが、対露制裁の強化に向けた足並みに大きな乱れは生じさせてはなりません。この連帯をいかに維持し、世界に広げていくのかが今後の課題でしょう。支援疲れによる分裂は決して避けなければなりません。
  　
  　サミットに招待されたインドのモディ首相は会合で「世界的な緊張の影響は欧州に限らない」と訴えました。西側が途上国への配慮を怠れば、ロシア批判を控えているインドなどの国々が「東側」になびいていく可能性も否定できません。
  　西側の先進国はこれから、中露への圧力を強めつつ、途上国が持つ不満の解消に努める微妙なバランス外交を迫られています。失敗すれば世界は混沌になり、前途は多難で困難な道のりが続くでしょう。
  
  　ロシアはこのように負の面しかない一方的な戦争を何故仕掛けるのでしょうか。ウクライナ侵攻に対してロシア国内で賛成が多いこと、発展途上国の無批判を考え合わせると日本人としては多民族国家の当事者しか判らない微妙で複雑な事情を推し量るすべもありません。
  
  （中東アフリカ諸国はウクライナ侵攻でこの先、食糧危機になるのが分かっているのに何故ロシアに対して抗議の声を上げないのでしょうか。外交は難しい）
  2022/7/14

• 民主主義か権威（強権）主義か

  　今、世界は民主主義国家と権威（強権）主義国家の二つが覇権を争っています。
  
  権威主義の台頭と民主主義の衰退
  　権威主義は命令系統が一本化されているため人権侵害をしてでも物事をどんどん前進させることができます。つまり個人の主張は存在しないわけですが政策の進行はスムーズです。国民の愛国心、ナショナリズムに訴えてどんどん目的に向かって進んで行くことができます。その代表格が中国、ロシアなどです。
  
  　一方民主主義には自由を尊重して物事を決めていきます。それ故に簡単に意見をまとめることができません。いくら良い政策であっても一人でも反対者が多ければ成立しません。仮に成立しても過半数の人が反対しているわけですのでスムーズに事が進みません。最近は人々の考えの分極化が進んで更に意見が分かれてきています。当然、決議が先送りされたり優柔不断な政策しか成立しなくなります。欧米諸国です。
  
  　権威主義は指導者が正しい判断さえしていれば全体的に良い方向に進んでいきます。反対に判断が間違っていれば自由も社会も負の連鎖となっていきます。指導者は常に正しく、絶対間違わない「無謬性」が権威とならなければならないのです。
  　民主主義は例え政策が間違ってたとしても少なくとも過半数の人達は納得できるのです。
  
  　国としては権威主義の方が政策実行がし易いのは当然でしょう。確かに物事を進めるにあたって権威主義の方が即断、即決、即行できます。政府の統制の下で個人の権利もお構いなしで法律を変え実行に移してしまうことができます。経済が成長して国民の不満を解消して民衆がその恩恵に与かっている限り国民の不満は出てこないでしょう。今のところ中国は欧米諸国の良いお手本ありますので順調に物事が進んでいます。
  
  　世界的に開発途上国は国家的に統制の取りやすい権威主義国が増えつつあります。これは民主主義に限界が見えることに起因しています。今はＳＮＳ（会員制交流サイト）で政治家が直接発信することができます。個性の強い政治家が極端な発信をして支持者を取り込むことができるのです。それはポピュリズムや分極化につながります。分極化が進めば、利益の調整は困難になります。民意を尊重するあまり、色々な意見を考慮しなければならないということで八方美人的な政策しか実行できないので国としての統制が取れませんし国家が成り立ちません。問題を抱える民主主義がその魅力を訴えられないということの影響はあるでしょう。
  
  政治
  　権威主義は自由な言論、表現などの基本的な人権、あるいは自由な立候補、投票などは願うべくもない選挙で「圧倒的多数の支持を得たのだから、最高権力者の地位に座るのは当然である」と一人の人間に権力を集中させ、誰にも文句を言わせない正統性を付与してその権力を自由に行使して独裁政治となり、政策は前進しますが国民の意見は反映されなくなり悪くすれば自由の無い恐怖政治となる可能性と大になります。しかし政権を倒すには体制変革、最悪の場合、多くの人々の生活や生命が犠牲になる武力による革命が必要になってしまいます。
  　民主主義は国民の考えは多様で野党が存在し、指導者への対立候補が多数存在するものです。討論して賛成多数で物事を決められますが半面、色々な思想を持つ政党が乱立して政策が決まらず収拾がつかなくなります。自由を尊重するが故に意見の多様化で民主主義の破綻か？
  
  社会インフラ
  　中国では共産一党独裁体制の号令の元、国の権限により民意を無視して法律を変え、何事も実行できます。日本を含め欧米諸国のように個人の権利を主張する国では何事に対しても規制または反対意見でなかなか物事が決められず物事が前に進めません。良く知られているように街を開発するにあたって強制的に立ち退きさせて自由に理想的な計画を遂行できます。今はやりの自動運転車やドロン運行に関しても日本では色々な制約があり、許可申請が大変で、走行、飛行空域の全ての対象人達に対処しなければなりませんが中国ではここを走らす、飛ばすと言えばそれまでです。これでは最新技術の実現に向けての開発スピード感が全く異なってきます。規制でがんじがらめの民主主義国家との格差はどんどん広がっていきます。
  
  経済
  　中国はかつての国民平等思想から修正して一部自由経済を導入しているのでいわゆるアメリカンドリームが実現しています。労働意欲が湧いてきます。しかし経済の発展に従い国際秩序にも影響を及ぼしてきています。一路一帯政策です。経済力に物を言わせて軍民融合で発展途上国に飴を与えています。経済圏、軍事を拡大、そして意にそぐわなければ経済制裁、借款による支配など傲慢さが目立ってきています。
  
  治安
  　権力者は疑心暗鬼となり権力を維持するため国民を監視するようになります。中国国内ではテクノロジーを駆使して監視カメラ、ネット、スマホ情報の収集、密告の奨励などあらゆる方法で国民を監視しています。監視社会は大多数の人にとっては情報管理によるあらゆる犯罪者の把握に役立っており、社会の利便性・安全性を高めるテクノロジーの賜物です。一方、少数派にとっては自由を制限する強固な監視システムであります。現状では多くの中国国民は多少自由が制限されても社会の安定、自分の生活が向上すれば問題ないと考えているようです。中国共産党は経済的に繁栄が続いている限り安泰でしょう
  
  技術
  　「千人計画」と称して国家ぐるみで海外から技術情報を収集して競争力を強化しようとしています。産業スパイ行為などなりふり構わないその姿勢が懸念されています。特許の件数でも世界の半数を占めるまでになっています。アメリカは技術競争にかなりの危機感を持っています。数年後には技術力でも欧米に勝るようになるでしょう。
  
  　１９７９年にアメリカの政策転換によって中国と国交を回復。アメリカは投資を拡大させ、中国の世界貿易機関への加盟も後押しするようになりました。そして中国は大きな経済成長を遂げたのです。市場経済の導入と対外開放で多くの人口を抱える中国では世界の向上と同時に世界の市場になりました。当初アメリカは中国の経済が発展すれば民主化も進むと考えていましたが意に反して民主化できるどころか経済が発展するに従って反ってその独裁を強めることになりました。その驕りが今日の中国の姿です。
  
  　中国国民も少々自由が無くても生活が向上しているので満足しているアンケート結果が出ています。仕方無しの満足度に中国共産党は驕らず、もっと謙虚になるべきでしょう。そうすれば世界も中国と協調できるでしょう。すでに大国なのですからそれなりの品位を持ってほしいものです。ソ連の失敗は国有企業を大事にしすぎて自由経済を導入しなかったことです。その点、中国は今のところ大きな民衆の反対のうねりも無くうまくいっています。
  
  （しかし権威主義の指導者は何故長年の地位保守にこだわるのでしょうか。個人崇拝の確保、よほど甘い汁が吸えるのか、はたまた引退後の仕打ちが怖いのでしょうか。）
  2022/04/02

• 宗教戦争

  　広辞苑では、「神または何らかの超越的絶対者、或いは神聖なものに関する信仰・行事」との定義を掲載されています。
  宗教は、もともと人間にはどうにもならないことが起きた時、それを説明するために、生まれたものです。信者に対して道徳的訓戒や人生の指針のようなものを提供しています。
  
  　人間は元々自然現象に対して無力感を持っています。自分ではどうしようもない自然の仕打ち（自然災害、病気、死）又は恩恵（太陽、水）に対しては何かが遠くから操っているのだろうと考えるようになり、科学が発展していない時代では常に何かに頼らなければそれらの支配から逃れることができないと考えざるを得なくなります。その人間の弱みに付け込み言葉巧みに人々の畏怖心を植え付け、その畏怖に打ち勝つ方法を説いたことに宗教の始まりと考えられます。奇跡が起き、それをたまたま予言した人を信じるようになり、それが教祖となり、神となってきたのでしょう。
  
  　20世紀の初めまではなぜ地球があるのだろうかとか、人間はどうやって生まれたのか、などの疑問も、すべて神が創ったということで、みんな納得していました。しかし現実の世界では宗教によって自然現象などの解決には全く寄与していません。
  
  　宗教は人民の弱みに付け込んだ一種の洗脳です。何かに頼らなければ現状を変えられないという結論で未知の神を作ることにより神に頼って畏怖を除去しようとしたのです。それが神への畏敬に変わってきたのでしょう。
  　それではなぜ人々は洗脳されるのでしょうか？それは科学ではまだ「幸せ」、「どう生きるか」、「死」を解決できないのです。ですから教養のある人達であってもこれらの答えの無い答えを求めて霊、神を信じ、来世を信じて宗教に走ってしまうのでしょう。オーム真理教しかり。これらが解決される方法が無い限り宗教は無くならないと考えられます。
  
  　その絶対的な宗教にどうして宗教間での争いが生じるのでしょう？本来、それぞれの宗教は人々の不安を和らげるための教えであります。人々が求める神は同一でしょうが神に近づく手段としての宗教は教えを説く洗脳者によって違った解釈の神、宗教となっていきます。
  
  　宗教戦争は過去に色々発生しています。要は宗教の覇権、縄張り争いです。同じ宗教でも宗派によって内輪もめがあるのも同様の構造です。宗教は元々洗脳された人々の集まりであって宗教、人によってそれぞれの解釈した神がいるわけですから異議を唱える人達を排除するようになります。信じている神が唯一のものと思っている人達にとって他の神は邪教と考えてしまうのです。つまり信じている神の下でも人間は煩悩は捨てられないのです。所詮、他人を愛せよと言っても神という架空の力では人間が持っている利害本能を打破できないのですから。
  
  　本来の宗教とは心の安らぎを与えるものでありますが歴史を振り返るとずーっと争いの元になってきています。人間が勝手に創造した霊や神を崇める観念的な宗教では平和をもたらすどころか争いの火種となっています。人間、不安になれば神の力を信じ、神ににすがりたい気持ちは分からないわけではありませんが神などはこの世に存在しないのです。現代科学がそれを証明しています。宗教は人々を規制で束縛して分断を招くものです。
  
  　多くの宗教が弱者への想いやりや互いに助け合うことの重要性を説いており、そうした精神を体現した組織や実践体系を持っていることも多いです。かくして、貧困に苦しむ人たちが、宗教へと接近することになります。そして彼らは、宗教的な装いを帯びつつ、先進国の富裕層を貧困に追い込んでいる張本人だと思い、情報が入るに連れ、その格差に愕然として不満、反発で生まれた隙間に過激派の思想と運動が入り込んだ結果がテロに発展したのです。
  
  　多くのイスラム教の関係者はテロはイスラムの教えでないと反論していますがそれならなぜ積極的に自分達が立ち上がって過激思想派を説得して解決しようとしないのでしょうか。少なくとも異宗の人達に説得されるよりまだ現実味があるのではないでしょうか。宗教を信じているなら信じている人々に対しても行動を起こすべきです。
  　またタリバン政権下のアフガニスタンの現状を見てみますとが女性の人権剥奪、教育を受けさせない、へジャブの強要などイスラム宗教の名の下で厳しく弾圧しています。これが宗教の名に借りた勝手な解釈による差別支配です。
  
  　過去のシルクロードの交流を見てきても判るように異宗教、異文化であっても生活に満足していれば人々は共存してきていました。満足できる生活とは本人が周りと同格であるということです。今までは人々は閉ざされた地域社会では貧しく不便な生活でも平穏な日々に神に感謝して満足して生きてきていました。それが情報ツールの普及でで裕福な浪費社会を目の当たりにして格差、不公平さが実感されるようになりました。当然、人間の性で他人と比較することにより羨望や嫉妬がもたげてきます。情報化の普及がすべての原因と考えられくもありません。情報の普及も良し悪しです。
  
  　現在社会の人々は実在しない神に頼る生活から抜け出さなければなりません。
  
  （宗教は争いを助長するだけで友好には全く貢献できていません！宗教では平和は形成できません！過去の歴史が証明しています。）
  2021/10/6

• TV放送の凋落

  　テレビ業界の質の低下に嘆いていますし情けない思いが一杯です。最近は若者だけでなくテレビ世代である我々も民放を見る気も起りません。つまり放送内容の低下とコマーシャル時間が長くなった事が原因です。
  
  　斬新で新しい企画が全く見受けられないのです。チャンネルを変えても同様な番組ばかりで「新しい番組を立案できる人材はいないのかぁ」と叫びたくなります。何処のチャンネルでも似たような内容、手法を使っています。他局で人気となった内容を追従しています。（クイズ、へき地の取材など）ワイドショーても同様で今や井戸端会議となり下がり、ニュース報道はあまり見られません。ひな壇のセットを作り、芸能スキャンダルをお笑い芸人とタレント性の高いコメンテーターが番組内容に合わせて無難な（適当な）回答をしているだけです。これでは飽きられるのも当然です。また同じ内容をひつこく何回も流します。例えばコマーシャルの前に流した内容をコマシャル終了後にまた流します。更にニュース番組も自社で取材もせずに視聴者からの動画を利用しているのを多く見かけます。
  
  　コマーシャルも劇的に長くなりました。最近では５分近く流しています。トイレから戻ってもまだコマーシャルが続いています。トイレから慌てて出てきたことが懐かしく思い起こされます。視聴者を引き留めるためにコマーシャルの後は「コレコレです」と言って気を引き付けておいて実際は1分ほどコレコレを放送して再びコマーシャルに入るなど姑息な手段を用いたりしてコマーシャル枠を増やそうとしています。
  
  　以上の理由により視聴率が下がり、結果、テレビ業界に入ってくる全体のコマーシャル収入が減ってきます。視聴者もバカでありませんから録画して再生時にはコマーシャルをスキップするようになりますのでスポンサーも逃げていきます。番組内容の低下→視聴者が減る→スポンサーが逃げる→収入減→番組内容の低下→コマーシャル時間枠を広げる→視聴者が逃げるの悪循環で自分で自分の首を絞めているのが判っていないのでしょうか。収入が減れば番組制作にお金、時間をかけてはいられませんし、ニュース取材にも視聴者からの情報を頼りにしているのです。当然放送内容の質が落ちてきます。
  
  　本来であればそれに対して臨機応変に対処していかなければなりませんがそれができていないのです。深い内部事情があるかもしれませんが過去のテレビ全盛時代のことが忘れられず、旧態依然の方法、考え方で小手先の手法を行っているからテレビ離れが起きているのが判っていないのでしょうか。単純にコマーシャル時間を増やして収入を上げようとしているのは自身の身を切らずに視聴者に負担をかける身勝手な考え方です。若者はお金を払ってでもコマーシャルの無い良質の番組を見ようと人々がケーブルテレビやネット放送に移行しています。結果、視聴率がジリ貧になるわけですからスポンサーもそういった状況のテレビ業界から離れて行くのは自然の流れです。負のスパイラルに陥っているのです。景気の良い時に入社した優秀な人間がいるはずですからより良い解決策をを見つけ出してほしいものです。
  
  　今や広告はテレビに頼る必要が無い時代となっています。ネット社会になったことで人々はネットを利用してスマホで情報やドラマを入手しています。しかも欲しい情報が簡単にまた瞬時に手に入ります。テレビからの情報やドラマを見る必要が無い時代となったのです。必然的に広告主はネットに広告を出すようになるのです。テレビ業界はこういった状態をちゃんと認識して従来の体制（人事、給与、下請け、編成）を根本的に打破しない限り衰退の一途でしょう。テレビ全盛時代に育ったものとしては非常に寂しい限りです。
  
  （今後、優秀な人材はテレビ業界でなくネット業界に入社でしょうね）
  2020/12/30

• 中国共産党

　中国共産党がますます挑発的になってきており、自由、人権、正義に対して次々に覇権主義を拡大させています。香港、台湾、南シナ海、インド国境、沖縄・尖閣諸島問題などなどである。国際通念上、おかしいと思われることまで闇雲に実行に移そうとしています。
　また公式発表以上に軍備もどんどん拡大させています。今時、経済的に重要な中国を滅ぼそうとする国があるでしょうか。他国を侵略しようとする気を持っているのは中国共産党とロシア位しか無いでしょう。それなのにどんどんアメリカに対抗して増強しています。

　外交的には50年間は一国二制度を約束していたにもかかわらず、香港を強制的に併合しようとしたり、南シナ海はどう見ても地理的に中国領地からは遠く離れているにもかかわらず、独自の九段線を根拠に中国領地と主張して、尚且つ当初は軍事化しないと言っておきながらシャーシャーと軍事拠点化しています。また日本に対しても尖閣諸島の領有権を主張し、公船による日本の領海侵入を繰り返しています。これらは常識的とは思えない行為です。
あれだけの広い国土を持ちながら何故そこまでして領地を広げたがるのでしょうか。経済的、軍事的に有利になるのだろうけれども国際法まで無視して突き進んでいくには無理があります。

　また経済的には一帯一路やアジアインフラ投資銀行（AIIB）などといった手法によって国際社会への影響力を強めようとしています。国内総生産が世界２位に在るのにもかかわらず、自国の事を辺地の生活の貧しさをうたって「後進国」と勝手な解釈を主張しています。他国に援助できる余裕があるならその金を国内の貧しさを解消せよと反論したいのですが。またアメリカがファーウェイを排除したことに対して文句をつけています。自国ではデーターの強制開示要求、グーグル、フェイスブックなどの通信を規制していながらです。

　国内ではウズベキスタン、チベット問題があり、漢民族による侵略によって民族紛争に発展しているのですが今では他民族に対して人権侵害や強制収容、思想教育、漢語統一、避妊手術までが行われています。

　多くの中国国民は人権やプライバシーが無くても繁栄の元、自分の生活さえ良くなれば多少の不自由さも構わないと自己中心的な考えを持っていると思います。客観的な立場から物事を見ることができないのでしょうか。現状の中国共産党がいかに異常であることや自分達が国際的にどう思われているかに関心が無いのでしょうか。それよりも自己の裕福さを求めているのです。それを与えることにより国民の声を抑える事が共産党の狙いなのでしょう。
　国内からの色々な改革が出てこないと中国共産党は変わらないのです。たとえ不合理を訴える人が現れてもこれを阻んでいるのは強烈な人民に対する監視体制で封じ込めているのです。

　これらはすべて共産党一党独裁支配が根本です。党の決定がすべてに最優先して物事を進めています。この社会主義体制は当分続くでしょう。もっとも中国で民主化を推し進めると多民族国家で在るが故に統制が取れなくなるのは分かっています。かつてのソ連、ユーゴスラヴィアがそうであったように一旦この体制が崩壊すれば中国国内は大混乱に陥り、内乱により国家が分裂する事態に陥るでしょう。どちらが世界にとっては良いのでしょうか。

　以上なんとまぁ常識が通じない自分勝手な国であります。覇権国家中国共産党はどんどん厚顔無恥で世界を支配しようとしています。その国が国連の安全保障理事会の拒否権を持っている常任理事国なのです。自国に都合の良い拒否権行使によって国連が正当に機能しないのは当たり前です。

　我々の民主主義国家にも色々な問題点が在り、意思決定までに色々な手続きが必要で時間がかかります。その点、独裁体制は何事に対しても意思決定が簡単でスムーズに事が進むため効率的であるのは分かっています。確かに一党独裁の実行力はすごいものです。中国では相当な辺鄙なところに行っても電力と道路網、携帯は通じています。

　今の所、中国共産党は金で諸外国を黙らせていますが国際的に孤立化すれば元もこうも無くなるのは目に見えていますがこの中国共産党は無頓着で我が道を進んでいます。残念ながら今の所、中国の経済に頼っている国が多いため表立ってこの覇権主義に反論する国は出てきていません。中国共産党を抑止できる国は現在アメリカしかいませんがこの先、中国共産党の異常さに反発する国は出てくるのでしょうか。。

　現在の中国に必要なのは軍事力強化ではなく環境問題をはじめ、少数民族の人権抑圧の是正、膨大な数に上る極貧層の救済、急激に進んでいる高齢化への対応、失速する経済の立て直し。優先すべきなのは、こうした困難な国内問題の解決です。

中国共産党は世界を敵に回して何を目指しているのでしょう。

（日本でこの記事を書いていても香港国家安全維持法違反で捕まるかもしれません。－－誇大妄想－－）
2020/9/7

• AI（人工知能）
  

　最近はディープラーニングという手法を獲得した人工頭脳（AI）が車を自動運転したり、将棋や囲碁で人間の世界チャンピョンを撃破したり、語学の自動翻訳の質が大幅に向上したり、医学面ではがんなど病理診断したりとか色々な分野で社会に大いに貢献してきています。しかし必ずしも将来は良いことばかりではありません。

　AlphaGoがいくら強くても将棋やチェスができません。特定の分野で高い能力を持っていても基本的にはそれ以外の分野には応用が利かないのです。しかしこれもコンピューターの能力がどんどん上がれば複数のモジュールを組み合わせて多くの分野でも融通が利くようになります。つまり人間の脳の神経回路を模したニューラルネットワーク（Neural Network）で深い階層のモデルを構築し、精度の高い推論を行うディープラーニング（深層学習）はすべてコンピュータの中だけで複雑な処理（「分類」とそれに基づいた「予測」、「推薦」、そして「変換」や「生成」）をしているのです。

　AIは単なるコンピュータのシステムであるため倫理観も悪意もありません。AIは画像を構成する点の並び方（データ）を数学的に分析してそこに映っているものが何かを判断します。しかし悪意のある者がそこに人間には判らないようなデータ（ノイズ）を混ぜ込ませるだけでAIは実際と違った判断をしてしまいます。ここが怖いところで知識を持った人がいくらでもAIを間違った方向に持っていくことができます。その時点ではAIは事の善悪を判断することはできません。

　この時が怖いのです。コンピューターには善悪が判らないので能力が上がれば勝手に判断していきます。従ってAIは結論だけを示してなぜそういう判断をしたのか人間には解らないのです。

　自動運転車が前方に人を見かけた時にAIはどういう判断をするかも相当難しいでしょう。そのまま直進すれば確実にその人間をひき殺してしまうだろうし、その人を避けるためにハンドルを切れば対向車線に飛び出し、自分を含め、相手の車に乗車している人に対して更なる事故を誘発するかもしれない。どのような倫理観をAIに持たせて判断させるべきか非常に悩む所でしょう。

　AIによる「偏見」にもつながります。入手したバイアス（偏り）のかかった情報で物事を判断すると「偏見」になります。従来のイメージだと「コンピューターは人間と違う。常に公平だ」なんてイメージがあるかもしれません。たしかにそれは1つの側面から見れば正しいです。コンピューターは学習した内容とプログラムに忠実で、自分の好き嫌いで物事を判断することはありません。コンピューターの中で作られた基準に対しては常に公平です。しかし、その基準は人間やコンピューター学習によって作られます。学習した内容や人間が作ったプログラムにバイアスがかかっていれば基準はゆがみ、AIも偏見を持つのです。

　バイアスが発生する理由を正しく理解した上でうまくコントロールできるようになることが大切です。 入力データが増えるということは、つまりAIがどんどん学習して進化しているというわけです。理想的なデータが集まっていれば、少なくとも「想定される範囲でのバイアス」は避けることができます。ただ、理想的なデータを集めることは簡単ではありません。インターネットのおかげでデータを集めやすくなったものの、人が趣味の範囲でネットに上げるデータは必ず多数派の嗜好（しこう）に合わせた偏りがあり、バイアスのかかっていないデータを提供してくれる場所というのは珍しいのです。バイアスをしっかりつぶせるようなデータ収集の体制を改めて作る必要があります。

　個人を完全に特定できないようにすることも難しいでしょう。判断に必要なデータは人の行動履歴（位置情報、食事内容、好みなど）であってそれが無ければデータの価値は無くなります。現在は「個人情報保護法」で個人の情報を特定できないようにしていますが行動履歴データの使い方（例えば人の行動履歴を観察する）によっては個人はいくらでも特定できてしまいます。「個人情報保護法」は無いに等しいのです。

　被害が出てしまった際には責任の所在も曖昧になりがちです。AIを作った側が悪いのか、使った側が悪いのか、偏ったデータを提供した側が悪いのか、すぐには判断ができません。これから人類は難しい課題や局面に対処していかなければなりません。

（すでに予想されているようにAIに人間が支配される日が来るかもしれません。）
2020/4/15

• Ｇ２０大阪サミット
  

　色々騒がれたG20が無事終わりました。これらニュースを見ているといろいろな疑問が沸き上がりました。
物々しい警備、交通規制、G20の開催で費用はいったいいくらかかったのだろう。
また日本側の費用の負担は？
37か国に及ぶ政府専用機、貨物機の駐機はどうしたのだろうか？

　まずは費用の件ですが
会場、プレスセンターの設営、警備費、交通規制、出席者の宿泊費、食事代、記者達の食事費、ファーストレディー、の接待費、余興費用
プレスを含め、出席者全員に日本の扇子や箸を無料配布。ビュッフェの入り口では着物姿の複数の女性が出迎え、席までエスコート。豪華メニューは朝・昼・晩と変わり、大阪名物のたこ焼きや串カツも食べ放題。世界では珍しい升も持ち帰り自由で、日替わりで常時１５０種類が揃う日本酒、国産ウイスキーとワインも飲み放題。畳敷きの部屋で芸者遊びを楽しめるブースもあります。
果たしてこれだけの費用をかけてそれに見合う効果はあるのだろうか？またこれだけの費用があれば何人の人々を救うことができるのか？

　莫大な費用をかけて宣言された決議項目はあいまいで大した内容ではありませんでした。
これでは首脳が集まる必要は無く、各国の担当者ベースで打ち合わせが済むことではないでしょうか。

　Ｇ２０サミットは、２９日、首脳宣言を採択して閉幕しました。貿易をめぐっては、「自由、公平、無差別で透明性があり、予測可能な安定した貿易と投資環境の実現にむけて努力する」としました。昨年に続いて、「保護主義と闘う」とう文言は２回連続して入りませんでした。
　仏のマクロン大統領は「米国の態度は残念というしかない」と失望を露わにしていました。トランプ大統領と一番親しいとされる安倍首相が、耳の痛いことも交渉して一定の成果をあげることへの期待もあった、とされていますが、過剰な配慮ばかりが目立ち、その役割を果たせなかったと思います。

　Ｇ２０サミットは、トランプ大統領への「配慮」ばかりが目立って、実効性のある成果に乏しいまま終わったのではないでしょうか。焦点の一つだった海洋プラスチックごみの対策については、ごみの適性処理を進めて２０５０年までに新たな汚染をゼロにすることをめざすなどとした「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」を共有すると明記しました。ゼロを目指す工程表づくりは今後のことになり、数値目標などは示されず、実効性をどう担保するかが課題として残っています。

　データ流通規約作りを目指す「大阪トラック」宣言は、各国の意見が対立し、Ｇ２０サミットが始まる直前の特別イベントでの宣言になりました。横文字の入るアドバルーンはあげたものの、実効性に疑問符がつくものになっています。気候変動対策については、「パリ協定」から離脱を表明している米国との溝が深く、首脳宣言づくりで、最後の最後まで紛糾した、と報じられています。

　Ｇ２０は、リーマンショックが起きた時に、もう先進国の集まりのＧ７だけでは対応できないとして、途上国なども入れて発足したものです。１１年目を迎え、Ｇ２０が「決める力」を失いつつある、という見方があります。それでも、こうした多くの国が集まることによって、注目された米中など２国間の会議が数多く開かれ、そうした場を提供する意義はあるのでしょう。これからＧ２０をどのように運用していくか、考える必要があると思います。

（先進国としての意地は無いのでしょうか。）
2019/7/4

つづく 　　乞うご期待

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