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 世の中は、すべからくモータリゼーションの時代、車優先の社会だ。だからといって、″人力″をないがしろにしてはいけない。自転車の最高速度は時速105.36`(1986年)、風の抵抗を防ぐため自動車の後ろを走った場合は、時速268.83`(95年)を記録する。車文明が排ガスをまきちらした20世紀。地球に優しさを求める現代では、自転車が見直されてきた。

 その自転車。部品がいったいどのくらいあるかご存じだろうか。千個以上にもなる。部品の出荷額で、全国970億円の92%を占めるのが関西。特に堺市は73%と群を抜く。堺は完成品でも、全国640億円の49%(関西圏では68%)。なぜ、そんなに堺が突出するのか。それには歴史的背景がある。自転車が入ってきた幕末期、高価過ぎて賃貸しで利用された。修理は″最新技術″を持つ鉄砲鍛冶の堺衆が主にになう。戦国時代に始まる技術が今日の自転車業界の土台を築いたのである。

 文明開化の嵐とともに、自転車は一躍、時代の寵児になる。最後の将軍・徳川慶喜はカメラ、猟銃など西洋文化を好み、前輪が大きなオーディナリ(だるま自転車)で、静岡の街を乗り回した。1902年には日本サイクルアドベンチストの草分け・中村春吉が、自転車世界一周旅行に出発。翌年には読売新聞が自転車を小説に取り入れ、挿絵で紹介した「魔風恋風」(小杉天外)の連載をスタートさせた。

 そして、第一次世界大戦後、再び、自転車は新しい文化、風俗として脚光を浴びる。映画「青い山脈」 (49年)では、若者たちが自転車を連ねるシーンが憧れをかき立て、「二十四の瞳」 (54年)では大石先生が小豆島の景色をバックに自転車で分教場へ向かう。因習でがんじがらめの社会に新風を吹き込む、そんな小道具として使われた。「八十日間世界一周」 (56年)では、従者パスパトゥが優雅にだるま自転車を乗り回す…。こんな文化的な背景があって、58年には英国を抜いて生産世界一となり、都市化が進んでミニサイクルが歓迎された70年ごろからさらに急増した。現在、国内の保有台数は約7000万台。中国に続き、世界第二位である。

 関西は、質、量とも一貫して業界のリーダーであった。世界最長レース「ツール・ド・フランス」の三連覇やアトランタ五輪ロードレースでの1〜12位独占など、栄光の自転車はいずれも「シマノ」(堺市)が部品を作った。シマノの部品出荷額は、全国シェアの約6割を占める。完成品では、ブリヂストンサイクル(埼玉)や宮田工業(神奈川)といった関東の大手メーカーが車体を自前の工場で作るのに対し、関西では部品を購入して組み立てる「製造卸」が発達。出来鉄工所(堺市)、ヨコタサイクル(同)、ナショナル自転車(相原市)が関西の大手3社で、これに関東の2社を加えた5社で全国の56%を占める。

 社団法人自転車境界は「完成品を作り始めたのは関西が後発だった。部品だけで十分やっていけたし、関東のメーカーと競合する必要はなかった」と説明する。
かつて製造卸とメーカーのシェアは4対6だったのが、ここ10年ほどは逆転して、6対4に。部品の自社開発が不要でコストが安く、関西人の商売上手も手伝ってのことだ。

 では、関西業界が安泰かと言えば、話は全く逆だ。国内の需要が伸びないのに対し、中国、台湾などからの輸入がここ2、3年急増している。昨年の出荷が前年比16%減の449万台なのに、輸入車は46%増の623万台。
一台当たり単価がそれぞれ約18000円、約7000円と違い過ぎるのが最大の原因だ。

 コストダウンだけでは、価格差は埋まらない。業界の大半を占める中小部品メーカーでは、転廃業書が相次ぐ。レース用など高級車の需要があるにせよ、販売台数の大半は安価な軽快車やミニサイクルであり、長年培ってきた技術力の低下を心配する声も多い。なかでも関係者をいら立たせるのは「一見しただけでは、品質の差が価格差ほどにはわからない」こと。堺自転車製造卸協同組合は「輸入車が国内の強度基準を満たしていないいのは確かだが、実際に調ベても科学的に欠陥を証明するのは難しい」と嘆く。

 地球温暖化や健康面から自転車を見直す動きも加速してきた。自転車・歩行者の専用道路は、建設中のものを含めて全国で121路線、うち関東は7、関西は14。
サイクリング文化の浸透とともに、家族で利用できるターミナル施設も57か所に建設、これも関東3に比べ、関西は8を数え、自転車に対する理解は関西に軍配があがる。こういったハード面での充実は、80年代からのマウンテンバイクやトライアスロンの普及に加え、86年に中野浩一選手が世界選手権・スプリントレースで十連覇したことが影響した。

 オランダなど西欧諸国は都心から自動車を排除し、鉄道や自転車を使うことで大気汚染や交通事故を減らす。比べて、毎年、自転車の1000人前後が事故死する日本の交通事情は20年遅れ。堺市すら、快適な街作りを目指した「自転車利用環境整備モデル都市(全国19か所)」にも名乗りを上げていない。<BR>
4年かけて自転車で世界を一周した池本元光さん(52)は「自転車こそ人間性回復の切り札。その役割はもっと評価されてもいい」と話す。自動車文明を見直し、人びとの心にゆとりをもたらす。「汝の名は自転車」というところか。

 車輪こそは世紀の、いや史上最大といっていい発明といえるだろうか。だれが発明したともわからない、紀元前4000年から3000年頃には歴史に顔を出していた。
 日本で車が利用されはじめる時期については、5世紀からとみる研究者が多い。先日出土したこれまでのところ日本最古の車輪は、7世紀後半、飛鳥時代のもの。直径約1.1メートル、スポークが12本使われていたようで、かなり高度な技術に支えられている。

 世界に目を向けると、スポークのついた車輪が開発されたのは紀元前2000年ごろで、戦車のために作られたというのが背景らしい。丸太を切り抜いただけの重い中実車輪より、もろくても操縦性のよい車輪が求められたのだ。

 自転車の原型は、1817年にドイツ人のカール・フォン・ドライス男爵が発明した「ドライジーネ」とされる。木の車輪を2つ並べ、車体は木製、ペダルがなく足で地面をけって走った。その後、61年にフランスのミショーがベダル付き二輪「ミショー」を量産。、英国で三輪「ラントン」が、生まれた。初期の自転車のペダルは前輪についていて、サドルが前輪のほぼ上にあった。やがて同じ1回転で長い距離を進むために前輪が大きい「オーディナリ(普通)」型が登場したがチェーンはない。だから、速度を出すためもその前輪を大きくする。自転車レースが盛んになった70年代には、チェーンがついたりと進化する。チェーンを使うことになってペダルを前輪よりはずすことができるようになり、更にサドルも車体中央に持ってくることができるようになったため前輪は進行方向を変える役目をになうようになった。85年には英国のスターレーが前後の車輪を同サイズにした「セーフティ(安全)」型を考案した。車体も木製から金属に変わり、タイヤにゴムが使われるようになった。1888年には空気入りのタイヤが発明され、乗り心地も向上した。ブレーキ付きも登場しほぼ現在の形ができあがった。

 一方、国内では、江戸中期の1730年頃、近江の農民が、車輪がついた舟形の乗り物「陸舟車」を製作した例がある。これを世界初の自転車とする説もあるが、日本自転車史研究会は「実用化されておらず、その後の自転車のメカニズムと系統的なつながりもない」としている。
 八丁堀に住む竹内寅次郎も、そんな一人だったに違いない。手先が器用な彫刻職人。経緯は定かでないが、当初は「西洋車」とも呼ばれたスチール製の外国製品をまね、独力で木製の三輪車を作り上げた。一人乗りで、踏み板を駆動装置として後輪を動かす「足踏み式」だったとみられる。
 当時の東京府に製造販売の許可を求めたのは70年3月。その申請書が都公文書館に現存する。 寅次郎が自ら考えたか。「自転車」という言葉を初めて使い、急用に役立つと売り込んでいる。受け付けた役人は試乗して、2か月後に許可を与えた。「これが国産第1号」と、言われている。駆動装置が特に難しいが、足踏み式の機織り機と同じ原理だから、観察しているうち構想を見いだせたのだろう

 初めて飛行機を飛ばした米国のライト兄弟が自転車技師だったように、自転車は常に最新技術の塊だった。
それにしても自転車のすごいのは、チェーン伝導によるパワーの損失がわずか1.5%という点だ。自動車の場合は15%もある。

 東京メトロ東西線竹橋駅から徒歩7分の自転車文化センターは、数々の自転車を展示し、製造の歴史を伝える。

 主な参考文献 「自転車の科学」(ゴマブックス)、「自転車・機械の素」(INAX
BOOKLET)、「自転車統計要覧」(自転車産業振興協会)、「自転車の歴史」(アンドリッチ)、「資料で語る日本の自転車史」(自転車文化センター)、「堺輪業協会50年史」「シマノ80年史」

読売新聞より抜粋

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自転車の効用

●腰痛、寝たきりの予防
 自転車に乗る時はさまざまな筋肉を使うが、主たる働き手は「太もも」と「腸腰筋」。ご存じのように、太ももは歩く、走るといった動作をするうえで重要な役目を負っている。片や、大腰筋と腸骨筋から成る腸腰筋には、上半身を支える役目があり、衰えると腰痛や寝たきりの原因になることも。自転車で両方の筋肉を鍛えれば、腰痛や寝だきりの予防になる。

●肥満、生活習慣病の予防
 サイクリングは、脚以外に腕や背中などの筋肉も使う全身運動。それだけエネルギー消費量が多く、鍛えて筋肉が増えれば、基礎代謝量もアップする。また、自転車は疲れを感じにくいため、長時間続げるごとができ、結果としてエネルギーの消費量が増えるという利点も。自転車に乗ることば肥満、ひいては生活習慣病の予防にも有効である。

●動脈硬化、むくみの防止
 自転車をこいで血流が速くなると、一酸化窒素という物質が生まれるが、この一酸化窒素には血管の周りの筋肉をやわらかくする働きがあり、動脈硬化の防止やむくみ解消に効果が期待できる。

●鼻歌ペースで心拍数をキープ
 サイクリングは有酸素運動。息を切らしてするような運動ではないが、かといってあまりゆっくり走っていたのでは運動にならない。自転車に乗る時は(鼻歌が歌える)くらいのペースで、日常生活レベルよりもやや高めの心拍数をキープして走ろう。その程度の運動強度が体脂肪の燃焼には最も効率がよい。時間についても、健康を意識するなら20分以上は走りたいところである。

●重いギアより軽いギア
 ギア付きの自転車では、スピードを出そうと重いギアでペダルを踏むことがよくある。しかし、軽めのギアでペダルの回転数を上げるほうが案外速く走れる。このほうが関節への負担も少なく、長い距離を疲れずに走ることもできる。

●坂道上がって 強度をアップ
 ほとんど坂には見えないような傾斜でも、坂道を上がれば筋肉を使う。筋力アップや体脂肪燃焼の効果を高めるため、適度にアップタウンのある場所を通ったり、緩いものでも坂道をコースに取り入れるようにしよう。

●こまめに取るべし休息、水分
 遠出のサイクリングでは、一気に長い距離を走ると疲れてペースが乱れることになりがち。30分に一回程度の休憩を取りながら走ろう。また、走行中は水分をこまめに取ることも大切。パンやおにぎりなどでエネルギーも適宜補給する。

●クロスバイク…買い物から遠出のサイ クリングまで、乗る場面を選ばない万能選手。初心者にもおすすめ。

●ロードパイク…舗装された道を速く、 軽快に走ることをめざして作られた自 転車。車体は非常に軽く、タイヤも路面抵抗の小さい細いタイヤが使われている。

●マウンテンバイク…山道や岩場なと、未舗装の道を走るごとを前提にして作られているが、街乗り用としても人気。タイヤが太く、走行に安定感がある。

●シティサイクル…いわゆるママチャリ。 あまり長距離の移動には向いていないが、誰でも乗りやすく、近場の買い物などに手軽に利用できる。

●小径自転車…車輪が小さいため、こぎ出しが軽く、信号などで止まることの多い街中の走行に適している。折りたためるタイプも多く、電車なとに積んでの移動も可能。

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2008年6月1日より自転車に関する道路交通法が変わりました。

自転車が歩道を通行できるのは

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