滋賀県~京都府 瀬田川から宇治川ライン下り サイクリング

 以前に琵琶湖疏水を走ったついでに瀬田川沿いに南郷瀬田川洗堰まで走ったことがあるが今回は更に南下して宇治川まで走り、そこから京都に抜けるサイクリングを実施する。このコースは前半は山腹を縫って、鬱蒼とした森と清流が織りなす景色を楽しみ、後半は歴史ある街道筋を訪ねる自転車旅🚲である。
 走行距離 約62Km 2025年11月2日(日)走行 約7時間20分のサイクリング

瀬田川から宇治川ライン下り サイクリング 走行ルートを見る  地図の右上で「RWGPS」を「MAP」などに変えるとより分かり易い表示になります。

 休日の早朝に輪行でJR大津駅に向かう。大津駅利用は初めてである。北口改札口に出るとすでに5人ほどのサイクリストが思い思いの場所で出発の準備をしている。琵琶湖一周だろうか?まずは予定のコースからは反対方向の北に向かって走って、京阪電車の琵琶湖浜大津駅、琵琶湖第1疏水場前を通過してから、以前から気になっていた「びわ湖大津館」を訪ねる。この施設は1934年に建設されたホテルを文化施設として利用している。「湖国の迎賓館」として、昭和天皇やヘレン・ケラー、ジョン・ウェインなどの著名人が宿泊し、最近では映画「国宝」の舞台にも使われた所でもある。早朝にもかかわらず、観光客や多くのオートバイツーリストが次々と訪ねてきている。外観は歌舞伎座を連想させる風で無料で見学できる施設内は西洋風の構造物であるが飲食店などが入っていて思っていたほどレトロな感じはしない。3階まで階段で上がり、バルコニーからは琵琶湖の景色が広がっている。敷地内には広大なイングリッシュガーデン🌸があるが有料だし、先を急ぐので今回はパス。

 来た道を引き返し、中央大道りから以前に東海道53次、及び旧中山道サイクリングで通ったことがある旧東海道を京町通りから「瀬田の唐橋」に向かう。そこから先は琵琶湖から唯一流れだす瀬田川となる。車を避けて湖畔沿いの「瀬田川ぐるり散歩道」に入ると多くのゼッケンをつけた人々が反対側から次々に歩いてくる。話を聞くと「BIWA100ウルトラウォーク」の参加者達で長浜を出発してゴールの大津港まで100Kmを歩くイベントで制限時間はスタートから28時間以内ということで昨日から夜通しで歩いているらしい。凄い。それに比べて転車で京都駅までの60Kmは大したことは無いかな。

 石山寺の東大門から入り、紅葉具合を観察に行くが見頃はまだ先である。近くにいた関係者の男性に許可を得て自転車と一緒に写真を撮ろうとしたらおばちゃんが来て、怒られてしまった。何も邪魔になることはしていないのに融通が利かない😠。

 右手に「宇治発電所石山制水門」が現れる。瀬田川の水を旧宇治発電所へ送る導水路でここから旧宇治発電所までは約11Km山の下をトンネルで通じている。次に洪水と渇水の相反する問題を解決するために作られた南郷瀬田川洗堰(あらいぜき)が現れる。前回はここから対岸に渡り、「夕照(せきしょう)の道」で琵琶湖まで戻った。

 瀬田川令和大橋付近までは「瀬田川ぐるり散歩道」で走行できるがそれ以降は県道29号線を走らなければならない。しかし交通量はかなり少なくなってくる👌。ここまではゆったりと流れていた瀬田川は川幅が狭くなり、変わった形状の岩場と共に早瀬となり、渓谷風を帯びてくる。やがて空海を白鹿が背に乗せて川中の岩を飛び渡ったという謂れの「鹿跳(ししとび)渓谷」の案内が現れる。ここからは鹿跳橋までの200m位、遊歩道の未舗装路を渓流沿いに見物しながら走ることができる。所々にかわどこ甌穴も見られる。

 鹿跳橋から先は「宇治川ライン」と名付けられた県道3号線に変わり、90度に方向転換してのどかな山間部に入り、緩やかではあるが徐々に高度を上げていく。曽束(そつか)大橋から県道3号線は左岸側に移る。曽束大橋で瀬田川と宇治川の境界として言及されることが多いが「宵待橋」では銘板に宇治川と記されており、左側から川が流れ出ている。多分ここから瀬田川から宇治川に変わる場所ではないだろうか。宵待橋の手前袂には「高尾(こうの)弘法大師参詣道」があり、その先には「弘法の井戸」があるとの事。宵待橋を渡り、左側の県道62号線を行くと茶処で有名な宇治田原方面に向かうことになる。この辺りが峠となっているようだ。

 下って行くと淀川水系唯一のダムである「天ヶ瀬ダム」に。市街地近くにあるにもかかわらず結構大きなダムでドーム型アーチ式の美しい曲線を持つ。ここではなんと4種類ものダムカードを頂く。さすが有名処のダムは違う。ここからコースミスをして直ぐにダム下に下る道を見過ごし、そのまま宇治川ラインを下ってしまう。下りきった所の「天ケ瀬ダム」への分岐で気付き、分岐から川沿いの道をダムまで引き返す。「白虹はっこう)橋」まで戻ると上流にはレンガ建物の旧志津川ダムが見える。関西電力の前身企業の一つ宇治川電気の発電所で1924年から1964年まで稼働していた土木遺産の建物である。ここから比較的車の通行量が少ない宇治川の右岸側に移動しようかとも思ったが左岸側に遊歩道があるのでついそのまま左岸側を走って木製の天ヶ瀬吊橋に立ち寄った後、宇治川ラインに戻ってしまう。

 宇治の平等院近くになると多くの観光客が溢れている。欧米人も多いようである。平等院横を走るが以前に訪問したとこがあるのでパスして昼時でごったがやしているお茶系の店が並んでいる繁華街を抜けていく。宇治橋の袂にある「源氏物語」に因んだ紫式部像を見てから昼食に向かう。

京阪電車の琵琶湖浜大津駅前を琵琶湖へ→ 琵琶湖第1疏水 取水口→
古風なびわ湖大津館→ 風情のある びわ湖大津館の内部→
びわ湖大津館の3階バルコニーから琵琶湖の南方を眺める→ 旧東海道を走る→
街道の桝形→ 岩座神社→
膳所城から移築されたる城門を有する若宮八幡宮→ 風情のある旧東海道を抜けていく→
瀬田川沿いの瀬田川ぐるり散歩道に入る→ 石山寺の東大門へ→
まだ青い葉っぱの石山寺参道→ のんびりと石山寺参道を戻る→
右手奥に宇治発電所石山制水門→ 南郷瀬田川洗堰→
川幅が狭まり流れがきつくなる鹿跳渓谷→ 瀬田川の支流西笠取川@二の尾橋→
滋賀県から京都府に入る→ 宵待橋 ここから瀬田川から宇治川に変わる→
赤い吊り橋の大峰橋から下流を眺める→ 案内石柱と高尾弘法大師参詣道→
ドーム型アーチ式の天ケ瀬ダム→ 左に旧志津川発電所 右奥は天ケ瀬ダム→
奥に白虹橋@天ヶ瀬吊橋→ 奥に天ヶ瀬吊橋@天ヶ瀬遊歩道→
橘橋→ 紫式部像から奥の宇治橋を渡る→

 昼食後は、宇治川の右岸に沿って主に土手上を走って「隠元橋」で左岸に移り、府道241号線を走行。再度、「観月橋}で宇治川を渡り、伏見地区に入るがそのまま土手上を走って、遠回りして工事中の伏見港へ。そこから京都、大阪に物資を運ぶための運河を航行する伏見十石船の乗り場に戻っていく。月桂冠や黄桜の酒造の街並み、坂本龍馬ゆかりの寺田屋を巡り、油掛通、納屋町通りを抜けてから日本で初めていわれる1601年に秀吉によって貨幣の製造や銀の売買する施設「伏見銀座」に行こうかなと思ったが伏見大手筋商店街は買い物客で混雑しているので止めて「奈良街道」から「師団街道」へと一方通行を逆走して🙏北上していく。名神高速道を潜って今度は「奈良街道」へと順走する。

 伏見稲荷付近の街道筋になると多くの外人観光客でごった返してしてくる。伏見稲荷大社も同様である。早々に逃げ出し、次の目的地の東福寺に向かう。ここは比較的観光客は少なく、ゆっくり見て回れる。この付近では今回のサイクリングで初めてあちらこちらで色付いた紅葉🍁を見ることができる。特に臥雲橋から眺める通天橋方面の紅葉は有名処だけであって流石に綺麗である。最後に勝林寺を訪れて帰路に向かう。

 京阪本線沿いから鴨川を渡り、塩小路通りでJR京都駅に到着。ここも観光客でごった返していたが不思議と5時前の網干行きの電車は空いている。みんな何処に行ったのか?日が短くなったので下車後の走行は照明を使用しなければならない。

 宇治川ラインの山中ではもう少し紅葉🍁が見られるかと思っていたが残念な結果に終わってしまった。やはり🍁見頃は11月中旬以降なのだろう。

宇治川右岸土手と茶畑→ 十石舟が運航する運河 奥の建物は月桂冠酒造→
伏見運河→ 月桂冠酒造→
黄桜酒造→ 寺田屋騒動があった寺田屋→
外国人に人気の伏見稲荷大社→ 立派な東福寺本堂→
通天橋入り口付近→ ひっそりとした通りの色付いた紅葉→
臥雲橋から通天橋方面の紅葉→ 静かな佇まいの霊雲院への道→
紅葉が始まった龍眠庵→ 勝林寺境内の紅葉

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